浜松が食材の宝庫だったとは!名店「じねん」で知ったタコ、かつお、すっぽんの旨さ

静岡のうなぎが人気なことくらいは分かっていたんです。でも……。「メーカーもたくさんあって産業の力が強かったから、これまで誰も食文化や観光に目を向けてなかったんですよね」。浜松市の人たちは、口を揃えてそう語ります。

ふと地元に目を向けてみると、海もあれば湖もあり、川もあれば山もある。日照時間が長いので、野菜もたくさん採れれば、養殖にも適してる。「こんなにポテンシャルがある街、世界的に見てもないんですよ」と教えてくれたのは、浜松の名店「じねん」の秋元健一さん。

食を通して浜松の魅力を伝える、いわば大使のような料理人です。

すいません、浜松に「かつお」の
イメージはゼロでした

©2018 TABI LABO

そんな「じねん」は浜松市内の田町や肴町、アクトタワーなどに5つのグループ店があり、それぞれコンセプトは変えながらも、絶品の浜松の味を楽しめます。

ところで、僕は浜松に「かつお」のイメージがなかったんですけど、「もちかつお」という、土佐の人も唸るほど “もっちもち” な幻のお刺身があるんです。

正式には、昼に港に戻ってきて夕方から店頭に並ぶので「夕かつお」と呼び、そのなかでも最上級のものを「もちかつお」と呼ぶそうです。なぜそんなに “もっちもち”なのか。通常、市場に出回るかつおは死後硬直のあとですが、浜松にはかつおの漁場から6時間以内で戻れる漁港があるので、死後硬直 “前” の特別な食感になるんです。

それを、夜の早い時間にいただく! これぞ浜松でのイキな過ごし方。

ちなみに、実食したときの擬音は “ぶりんブリン” と言ってもいいでしょう。浜松流に厚めに切った「もちかつお」の食感は、半端ない。

峯野牛、すっぽん、うなぎいも
浜松はパワーフードだらけだった

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本当においしいものからは、パワーがもらえますよね。

「そうだと思いますよ。だって当時の健康オタクと言っても過言じゃない徳川家康公が、日本のどこに住んでもいい、というような状況のときに選んだ場所が静岡県なわけですから」

秋元さんのお話に頷きつつ、次にいただいたのは「峯野牛(みねのぎゅう)」。ミスジ焼は、肉のうまさと霜降りのバランスが絶妙。やっぱり浜松の自然環境や水の良さが肉質にも表れるそうです。

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すっぽんの炭火焼き。もう一度言います。「すっぽんの炭火焼き」。フルコースを頼んだとしても、これはなかなか出てこないんじゃないでしょうか。食感はプリプリだし、特製のタレが香ばしい!

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天竜川沖の「とろ 金目鯛」。煮付けと塩焼き、どっちも好き。

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うなぎの骨などを肥料に使った、栄養と甘みたっぷりのブランドさつまいも「うなぎいも」。天ぷらにして塩をちょんちょんして食べたら、おいしいに決まってる!

追い討ちをかけた
浜名湖産「タコ」の衝撃

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魚、肉、お芋、すでに浜松の食材のポテンシャルはこれでもかと言うくらい感じていたわけですが、ここで意外な食材のうまさに衝撃を受けます。

それが、まさかの、タコ。

このお刺身の盛り合わせには「ヒラメ、カレイ、クロダイ、紋甲イカ、真ダコ」が入っていてどれもおいしいんですが、浜松のイメージとのギャップというか、まったく脇役じゃないタコのおいしさたるや……。思わず秋元さんに聞きました。浜松のタコがうまいっていう感覚、間違ってないですよね?

「間違ってないですよ! 浜名湖の高級なエビやカニをエサにしているので、明石にも負けないくらい質のいいタコに育つんですよ」

ちなみに、清水の興津川源流で作られるわさびも、まったくツーンとこない香り豊かな “甘いわさび” でクセになるので、ぜひ。

徳川家康を支えた
浜松のパワーフード

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実は秋元さんのご出身は東京の中野で、祖父母の田舎としてたまに連れてきてもらっていた浜松は、宝の山に見えていたそうです。

「だって、出てくるごはん全部おいしいんですもん(笑)。料理人として、自分が住むなら絶対に浜松だと思いました。意外と知られてないんですけど、とにかく食材のレベルが高くて、アーティストのような生産者がたくさんいるんです。今日いただいてもらった料理も、まだほんの一部。かつての将軍や一流起業家たちを支えた浜松のパワーフードを、少しは感じていただけましたか?」

はい!!

 

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浜松の地酒には「家康伝」「直虎」「出世城」などがある
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グループのひとつ「宿下吉庵」は、駅近のアクトタワー5Fにありアクセスもいい

「浜松料理 じねん」

住所:静岡県浜松市中区田町323-4
TEL053-456-7025
定休日:日曜日
営業時間:平日18:00〜23:00(LO22:30)、金土18:00〜23:30(LO23:00)
公式HP:http://www.jinen-g.jp/jinen/

その他グループ店:「座房」「娯座樓」「宿下吉庵

Top image: © TABI LABO
取材協力:浜松市
【特集】365日フルコース「浜松」