世界一の静かさを求めた「ファントム」
〜音のないクルマ選び①〜
自分だけの静かな空間……。
こういう見方でクルマを選ぶ。エンジンとかメカ的なスペック、先進技術、金額などではなく。
高級車の代名詞が誇る究極の静寂クルマ
このクルマの選び方で、「静寂=高級車」という考えに辿りつくのは当然のこと。
だったら、天下のロールス・ロイスが本気で挑んだ「世界で最も静寂なクルマ」を最初に挙げるのは、ズルいでしょうか?
【ロールス・ロイス ファントム】
内装はおそらく自宅のソファよりも座り心地が良く、音響快適性も追及されているのは当然。だって、それを実現するために130kgもの遮音材を装備しているのですから。これは室内に音が入ってこないようにするために、それだけのたくさんの素材を用いているということ。小さな空間にレコーディングスタジオさながらの設備とでも言いましょうか……。
ただ、そうとなればドライブ音楽をひとつ聞くにも「最高の個室である」と言えるでしょう。シートの座り心地だって言わずもがな、最高級という言葉が似合う仕様ですから。
このロールス・ロイス ファントムは、走っていると路面から伝わるロードノイズを吸音する造り。そのため、ボディや窓も二重構造になっていて、発砲素材やフェルト層までも挿入して音の軽減を図っている。
それに、タイヤメーカーと協力し、タイヤの内部にまでそのノイズを消し去る特殊素材を採用。とにかく、静音性は至れり尽くせり。
そのこだわり、流石!と言うどころか、もはや一般人には理解不能デス。
静かさを求めて最大級の背伸びも?
当然、「お値段、高いんじゃないの?」
なんて声が聞こえてきます。で、実際とんでもなく高価です。
このファントム、新車価格は5460万円からと、東京のベッドタウンに新築一戸建てがゲットできるレベル。
でも、ちょっと待って!その新築の一戸建てを我慢すれば手に入る!ってことです……だいぶ強引ですが。でも、圧倒的に静かな空間で、音楽を楽しんだり、無音の中で考えを巡らせたり。そんなことができる、究極の動く豪邸なのかもしれません。
これこそ、大人による最大級の背伸びだったりします。