「防災をライフスタイルに。」グッドデザイン賞受賞の消火器

消火器といえば、日本全国どこでもツヤのある赤が基本。だが、2019年度のグッドデザイン賞を受賞した「+住宅用消火器」は、常識を打ち破るマットなモノトーンカラー。

©モリタHD

創業129年の防災メーカー「モリタ宮田工業株式会社」は、「防災をライフスタイルに。」をコンセプトに、住まいと調和する消火器の新たなデザインを考案した。

どちらかといえば隠されがちな防災グッズを、日頃から目の届く場所に置くことで、もしものときにも素早く対応したり、普段から防災への意識を高めることを目的に作られたもの。

ストーブ火災や天ぷら油火災など、家庭で起こりうる火災を想定し、液体の消火薬剤を使用。そのため一般的な粉末消火器のように粉が飛散せず、周囲を汚すこともない。

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防災をデザインする──。

違和感なく見えるところにそのまま置けるだけでなく、絵を描いたり、ステッカーを貼ったり、インテリアに合わせて自分なりのカスタマイズも楽しめる。従来の消防用設備としてではなく、能動的に防災と向き合うためのデザイン。そんなところも、グッドデザイン特別賞(グッドフォーカス賞「防災・復興デザイン」)受賞の要因ではないだろうか。

価格は1本1万円(税抜)。「蔦屋家電」ほか、「+maffs」ブランドサイトでも購入可能。家庭への設置義務はないものの「これだったら」という気持ちにもなるアイテムだ。

真っ赤で目立つことはたしかに重要。だが、その存在ゆえ目の届かない場所へと追いやられてきた消火器。空間との調和という概念を「色を変える」というミニマルなアップデートでデザインに落とし込んだ「+住宅用消火器」。

ちょっとした発想の転換で、同じように変革されうるアイテムがほかにもある気がしてならない。家族と過ごすこの時期にあらためて防災について考えてみてはいかがだろう。

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購入日と使用期限を記すメモリータグ。防災意識を自然と高めてくれる。

Top image: © モリタHD
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