これからのテレビは、薄さよりも「家具」のような存在へ
部屋の中からテレビの存在感が薄れてきてた。こう感じているのは私だけではないはずです。スマホ画面で4K動画が見られるこの時代。「薄さ」や「インチ数」へのこだわり、あれってなんだったんでしょうね。
モバイルネイティブにとって、テレビを中心としたくつろぎ空間がもはや必要なくなってきたからこそ、こんなスタイルがウケているんだと思います。
どんな部屋でも、
空間に馴染んでくれる
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今年「iFデザインアワード」で金賞を獲得したこのテレビ。黒物家電の印象が強いテレビのフレームを単純に白くしただけでは、当然ながらデザイン界における“オスカー賞”とまで称される場で、高評価されることはありません。
審査員たちの注目を集めたもの、間違いなく、このコンセプトがあったはずです。
テクノロジーと環境の間にあるギャップを埋めるデザイン
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「家具の延長にある家電」という、まったく新しいコンセプトでテレビをつくり上げたのは、ロナン&エルワン・ブルレック。世界を股にかけて活躍する兄弟家具デザインユニットなんだそう。
彼らが目指したのは、テクノロジーと環境の間にある、ギャップを埋めるデザイン。それをカタチにしたものが、サムスン電子とのコラボにより誕生した「SERIF TV」です。
家電としてのテレビに「家具」の要素をプラス
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床置きでも、棚の上でも、どこへ持ち運んでもその場所に自然とフィットする。そのためのフレームデザインは、横から見ると分かるようにアルファベットのアイ(I)をイメージしたつくり。タイポグラフィで用いられる「セリフ書体」をモチーフにしているんだそう。では、この上下の圧倒的な厚み、これをどう使うかというと……。
幅広フレームが
シェルフになる
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フレーム部分のマチを有効に活用すれば、棚としてのスペースが生まれ、ちょっとした小物を置いたり、植物を飾ることができるように。あえてガッチリした重厚感にすることで、自立したときの不安定さを解消する狙いもあったようです。台座がなくても直置きできるのも、この厚みのゆえ。
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これも、大切だなって思いました。全方位どこから見ても「統一感のある美しさであること」です。もちろん、背面もこの通りファブリックでお化粧していている点もハイセンス。フレームの継ぎ目が見えないよう加工されてある点も、ユーザー目線に立った配慮に感じます。ケーブルや配線など細々したものも、だいぶスッキリした印象です。電源ボタンだって、背中にちょこっと。
テレビを見ないときでも美しくなければいけない!
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デザインは外観だけにあらず。ブルレック兄弟の革新はユーザーインターフェースにも表れています。
たとえば、スマート機能とデザインが融合した「Curtain Mode(カーテンモード)」では、ロゴや黒一色の画面が映し出される代わりに、壁紙のようなやさしい色調の画像や時計が、さながらカーテンのように色彩を与えてくれるんだそう。
確かに、サイズが大きければ大きいほど、電源がOFFのときのテレビ画面は、室内全体の統一感からいえば、ノイズですよね。その点、番組を見ないときはとことん家具に徹するSERIFなのでした。
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従来の“薄型至上主義”から、いかに室内環境に調和するかへ。家具としての佇まいをテレビに求めたブルレック兄弟のチャレンジは、家の中のどんな空間に設置してもテレビが違和感なく、環境に溶けこめることを体現しています。
すでにテレビのある生活に見切りを付けてしまった人たちも、「これだったらもう一度」そんな気になりませんか?