現役を退いた「旅客機のパーツ」でつくる、エコでジャンボな家具

デザインとは絶え間ない更新、再整列、成長を意味する──。
これは、モダンコンテンポラリーチェアの名作のひとつとして、1963年に製作された「ボールチェア」の生みの親エーロ・アールニオの言葉。あの真っ白い半球体に真っ赤な布地の斬新な椅子は、60年以上経っても古臭さを感じさせないデザイン。

よもやそのエーロですら、こんなデザインの更新が行われると思ってはいないはず。スタイルこそボールチェア、でもそのサイズはジャンボ級。

H200cm✕W200cm✕D200cm
もちろんジャンボサイズです!

イギリスに拠点を置くデザイン・ファーニチャー・カンパニー「Fallen Furniture」が製作したこのチェア。艶やかな光沢感のあるマテリアルは、ボーイング737のエンジンカウル。そう、両翼の下に付いているアレを再利用したものだ。旅客機としての役目を終えた航空機がスクラップになる前に、家具として再利用してしまおうーー。そんな、なんとも大胆なリメイク術である。

旅客機用に造られたアルミ素材を研磨し、内と外に高級革を使用。二人で腰掛けても十分にゆったりとくつろげそうだ。

サイズは高さ・幅・奥行きそれぞれ200cm。公式サイト内に重さの記載が無いため量りかねるが、間違いなく相当なものだろう。言ってしまえば、ただ場所を取るだけのゴツいヤツ。だけど、実際にこれが人を乗せて空を飛んでいた旅客機の部品だと思うと、夢のある話に聞こえてくる。

ところで、旅客機の廃材を再生したFallen Furnitureのリプロダクションはこれだけではない。以下にも、旅情をくすぐるジャンボな家具が目白押し。そもそも、「これを置けるスペースが…」なんて野暮なことは考えずに、そのデザインを楽しもう。

カウルを使って
バーカウンターも!

さらに、エンジンカウルにはこんな利用法も。完全オーダーメイドでつくり上げるバーカウンターだそう。カウルの背面をカクテルグラスの収納棚にしたり……。想像しているだけでも楽しくなる。

エアバスA320の非常扉

ウォールナットの足とガラスの天板を施した「エスケープ・ハッチ・テーブル」。胴体部の微妙な曲線をそのまま再現している。裏面もリアルな非常扉のまま。

タイヤ・ホイールは
ローテーブルに

自動車のホイールを横置きして、ガラスの天板を乗せたローテーブルは見かけたことがあるけれど、こちらはそれよりひと回り以上大きなボーイング777の車輪を採用した。

ボーイング747胴体窓枠が
お洒落なウォールアートに

ボーイング747の胴体部分から窓枠を切り出し、時計をはめ込んだ掛け時計タイプ。スケールが小さそうに見えるが、高さはしっかり100cm。

こちらは窓枠が4つ連なったタイプ。フォトフレームとしても、ウォールアートとしても、とにかく目を引くこと間違い無し。ちなみに窓枠1枚から最大30枚までオーダー可能だそう。

確かに、エコロジーな考え方。けれど、その感覚すら超越してしまうスケール感がたまらない!こう少しでも思った人は、Fallen FurnitureのサイトへTAKE OFF!残念ながらすべての商品が「ENQUIRE」、つまりは価格応相談とある。が、これだけのサイズのモノを設置できるというならば、価格だけでも尋ねてみては?

Licensed material used with permission by Fallen Furniture
TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。