機能もデザインもサステナも、全部両立させたスポンジ家具

購入した家具の組み立てって結構、面倒だったりする。

が、DIYが苦手な人でも専用工具がないって人でも、この家具ならご安心。電動ドライバーもレンチもハンマーも不要。なんせ、必要なのはだけ!だから。

水で膨張させる「スポンジ家具」

©ECAL_JasmineDeporta
©ECAL_YounesKlouche

これらの家具、セルローススポンジという生分解性素材でできている。

押しつぶして平らに乾燥させることができることから、場合によってはメルカリなんかの宅配専用ボックス程度に小さく収めてしまうことも可能なようだ。同素材は水を含むと10倍ほどに膨張。乾燥すると硬化してそれぞれ家具の形態となり使用可能に。なんでも、プラスチック素材よりも耐久性があるんだそう。

これであればコンパクトに配送でき、専用工具がなくても問題なし。とはいえ、耐久性はどうなの?という不安があるが……どうやらそこもクリアしている様子。さらには、経年変化というか使用にともない“反り”が出たり、体重圧で凹んでしまった部分に水をスプレー散布するだけで形状記憶効果で元の形に復元できるんだとか。

輸送の簡略化と
持続可能なメンテナンス

©ECAL_YounesKlouche
©ECAL_MarvinMerkel

今年4月に開催された「ミラノ・デザイン・ウィーク」において、ローザンヌ州立美術学校で教鞭をとる5人のインダストリアル・デザイナーによって発表されたこれらのスポンジ家具。

プロジェクトチームは、家具の売買のプロセスで発生する環境負荷に着目。機能性とデザイン性を保ちつつ、輸送の簡略化と持続可能性の促進を視野に入れたスポンジ家具を提案した。たしかに、もともと圧縮したスポンジであれば無駄に緩衝材を使用したり荷重に梱包する必要もなさそうだ。

2年間の月日をかけて実施された同プロジェクトにおいて56種類もの素材をテスト。最終的にセルローススポンジの多様性と強度にたどり着き、家具製造の新たな可能性が見出されたというわけ。

©ECAL_JasmineDeporta

椅子にせよテーブルにせよキャビネットにせよ、持続可能な社会に向けイノベーティブな素材がどんどん登場する昨今。スポンジ性の家具も、いずれはスタンダードとなるのかもしれない。

製作プロセスの詳細はプロジェクトの公式サイトチェックを。

Top image: © ECAL_YounesKlouche
TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。