セレブがベタ惚れする「Denem」のありそうでなかったデニム加工
デニムアーティストのEmily Starobrat(エミリー・ストロブラット)氏のアートワークをご紹介したい。
デニム地にペインティングを施したようにも思えるが、その実これらの模様はすべて電動ヤスリ(ペンサンダー)などを用いてデザインされたもの。繊細なラインとリアルな奥行きによって描かれるダイナミックなモチーフは、ペイントとはひと味違った“個性”を与えてくれる。
デニムに描く
2000年代LAのポップカルチャー
彼女の描くモチーフは、自身の祖母に関連したイメージと、自身の幼少時代を過ごした2000年代のロサンゼルスのポップカルチャーからインスピレーションを得たものだそうで、そのほかにも「一部の描画スタイルは、フォン・ダッチ、エド・ハーディーのアートワークへのオマージュでもある」とEmilyは『My Modern Met』のなかで答えている。
どこかノスタルジアとY2Kスタイルに通じるその作風は、多くのセレブリティからも支持を得ているそう。すでにオンラインサイトではSOLDOUTの文字も多くみられる。
絵画とファッションを融合させる
デニムは完璧なキャンバス
幼少期から絵を描くことが好きだったEmilyは、世界3大ファッション校の一つとして名高いニューヨーク「パーソンズ美術大学」でファッションデザインを学ぶ。デニムという素材に興味を持ったのは、当時テキスタイル加工の授業を受けたことがきっかけだったそう。デニムに関連するあるプロジェクトでデニムを扱い始めてから、デニムの汎用性に魅了された。
依頼、思いつきそうで類を見ないデニム加工が彼女の武器となり、2020年、自身のデニムブランド『Denem』を立ち上げた。「Denim Dudes」に寄せたコメントのなかで彼女はこうデニムの魅力を口にしている。
「自身が幼少期から体得してきた絵画のスキルとファッションを融合させることができるデニムは、完璧なキャンバスであり、生地を自由に操ることができる」
職人技×アートの融合
スローファッションの体現
ビジネスの成功やブランド規模の拡大よりも前に、ひとりの職人であることを重視するEmily。自身の作品を制作する過程で生まれたデニムの端切れを集め、新たな作品を制作したり、制作で使用する水やエネルギーの量を常に減らす努力をしながらクリエイティブを高める日々のようだ。
自分の手を動かし創作に向き合うなかで限られたロットしか生産しないというのも、彼女のモットーの顕れだろう。そういった彼女の姿勢に多くのひとが魅了されているのかもしれない。
デニムはオンラインストアにてチェックを。