スカイダイビングの風圧にも耐えた「強すぎる傘」

オランダ発の珠玉の傘「Senz゜」は、台風にだって負けない。

ヨーロピアンテイストを極めたデザイン性を持ちながら、風速100km/hにも耐えうる強靭さをもつ、すごい傘なのだ(※)。

Senz゜の柄(え)は、傘の中心ではなく前方に設定されている。翼のように軽やかに風を受け流すためには、柄の付け根ではなく傘の中心が頭の上にくるようにすることが大切なのだ(横から見ると、やや前傾になっている)。

©︎2019 合同会社Stork Corp

この、空気力学に基づいた特許構造が、飛行機の翼のように風をスムーズに受け流し、嵐のような強風にも耐えられる構造になっている。耐風傘と呼ばれるものは多く売られているが、風に浮くように強風をいなすのはこのSenz゜だけなのだとか。

だが、決して傘全体の表面で風に立ち向かうように持ってはいけない。風に傘全体を向けることは、翼で言えば失速状態入ることを意味するからだ。可能な範囲で軽く握ると傘が風の方向にも追従していることがわかり、雨の日が楽しくなるという。

前が短く後ろが長いアシンメトリーデザインは、雨風の強い日も前方は視界が広く、後方は背中やリュックを濡れから守ってくれる。最高水準の撥水性能で、傘を軽く開け閉めするだけで布面がほぼ乾くので、水滴がよく切れた状態で畳むこともできる。それだけではない。UPF50+で紫外線をカットするので、日傘としての利用も可能なのだ。

さて、じつはこのSenz゜、2008年4月に日本に上陸した際はその独特のフォルムと高い耐風性能で、テレビや雑誌などでも大きく取り上げられ、その年には日本のグッドデザイン賞を受賞したものの、残念なことに2015年をもって日本を撤退してしまっていた。

しかし、本製品の日本での販売復活を願う千葉県の「合同会社Stork Corp」が、クラウドファンディングによって資金調達に成功し、晴れて先日、支援者の元に届けられることに。

このまま需要が高まれば、日本で再販される日も近いかもしれない。強風のなか、この傘を片手に風に悪戦苦闘する人々の間を颯爽と歩くなんて、なんだかとても気分が良さそうだ。

※「Senz゜Micro」の耐風性は風速70km/h。また、送風実験はあくまでもオランダの基準にて一方向からの風に対するテストのため、自然条件での耐久性を保証するものではない。

© 2019 Senz゜
Top image: © 2019 合同会社Stork Corp
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