「若者のファストフード嗜好に喝!」から生まれた傘立てがコチラ

傘をさすのが嫌いな人って、私だけじゃないと思う。使い終わったのを乾かすのが面倒だし、畳んだとき足元に雫が落ちるのもイヤ。でも、この傘立てはその雨粒を思いもよらぬ方法で有効活用してしまうから驚きだ。

ムダになる水は全て
野菜の栽培に使っちゃおう

ロンドン芸術大学のひとつであるセントラル・セント・マーチンズに通うJean Huangさんによってデザインされたこの傘立て。なんと水の滴る先に鉢植えが設置できる。

傘の雨水が垂れると下の植物に自動的に水をやれるという合理的かつ「そこまでするか!(笑)」な仕組み。「傘を乾かしつつ野菜を育てられる」との謳い文句だけれど、本当にこれで野菜が?まぁ、ハーブとかをちょこっと育てるのにいい大きさではある。

傘をかける部分は照明にもなるので、玄関を照らすオブジェとしても使用可能。正直に言うと、傘についた水で野菜を育てるなんてちょっと…と思ってしまったけど、野菜に限らず花などを植えれば憂鬱な雨の日にも家に帰って水をやれるのが楽しみになりそう。

ところで、なぜこんなものを思いついたんだろう?

若者への「熱い想い」を具現化

実はもともと、このプロジェクトはロンドンのファストフード嗜好、特に便利さと値段に惹かれる若者たちに焦点を当てたものだったそう。彼らへの「自分で野菜を育てて食べよう」という訴えから発想に至った。

傘立てに行き着くまでにも、構想段階では色々なデザインが検討されていた模様。ランプの形から、手を洗った時の水を払い飛ばして野菜に当てるというなんとも面白いものまである。でもファストフードを求める層の気をひくには、やっぱり合理的で手軽なものでないといけない。そこで傘立てという答えが導き出されたそうだ。

ターゲットを絞って
お手軽さを重視

さらに、こだわったのは外見だけではない。ファストフードを楽しむ人が低コストやハイスピードを求めることから、彼らを消費者層としたこの傘立ても直感的でわかりやすいIKEAスタイルの組み立て式。スペースも節約するためにボディはカゴ型ではなく垂直にぶら下げる形を採用したことで、安価で手軽に野菜を栽培できるという。

ただ単に作るだけでなくターゲット層を意識して、「ファストフードを求める人には生活用品も安く効率よく提供した方が心に訴えられるはず」と論理的に推測しているあたりに感心させられる。

JeanさんのInstagramアカウントはこちら。またオフィシャルサイトにもその他の作品が掲載されている。現時点ではあくまでもコンセプト作品だが、商品化を望む声は少なくないかもしれない。

Licensed material used with permission by Jean Huang
TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。