「会社に行きたくないんです」。そんな無気力やモヤモヤにおすすめの漢方がある——鎌倉の薬局三代目・杉本格朗
「若い」といえど、私たちはみんな多かれ少なかれ、「不調」を抱えながら生きているはず。それが、病名がつかないくらいのなんとなくであればあるほど、ほったらかしになったり、相談しても誰もベストな解決法をくれなかったり。
ミレニアルズのそのお悩み、もしかしたら「漢方」が救えるかもしれません。体の不調だけでなく、うっすら気づいているのに知らんふりしている「心」の不調だって、もしかしたら……。
第五回目のお悩みは、「無気力」。
アドバイザーは、世代を越え、漢方を広めている神奈川県鎌倉市大船の「杉本薬局」三代目、杉本格朗さん。
でも、誰かに効いた漢方が、万人に効くとは言えません。大前提として、人によって「どんな漢方が合うか」は違うから、まずは漢方薬局などで相談するのがベター。その前提の上で、「こんな解決策の一例もあるよ」といったような形で紹介したいと思います。
「会社に行きたくない」
おすすめの漢方は?
特に月曜日は、「ブルーマンデー」という言葉があるように、普段は元気なのですが、毎週月曜日に体調を崩して出社できない若者はわりと少なくないように感じます。もちろん、さまざまな要因があると思いますが、会社に出社する気持ちを楽にするというか、考えこみすぎないようにするというか、そういった漢方がもしあれば、教えていただけますか?
やる気を補う「補中益気湯」
モヤモヤを発散する「香蘇散」
【杉本さんのおすすめ】
土日休みの方にとって、月曜日はきついですよね。その気持ち、とてもよくわかります。何なんでしょうか、あの憂うつ感は。
まず、どうしたらやる気が出たり、憂うつ感を取り去れるかというところですね。漢方的にみると、やる“気”が“ない”わけですから、気が足りないということです。また、憂うつ感というのは、うつうつ、モヤモヤ、どんよりして、息苦しい感じで気の”毒”と捉えてみてください。
やる気を出すためには、気を補う必要があります。気とは、元気の気です。月曜日に限りませんが、普段からやる気が出にくい方は、気を補う漢方薬がおすすめです。代表的な漢方薬は「補中益気湯」といって、字のごとく、気を益す働きがあります。すごく疲れやすい方は、僕も普段飲んでいる「十全大補湯」もいいと思います。お休みの間にお出かけをしたりして、疲れが残ってしまった方は、お休みの間だけでも飲んでみてください。休み明けのやる気が変わってくると思います。
疲れてはないけど、憂うつ感があるなという方は、先ほどお話した毒が溜まっている状態。空気の入れ替えをするように、換気をしてあげましょう。こちらは気を補うのではなく、気を巡らせたり、発散することを目的として、「香蘇散」や「四逆散」を使ったり、「麝香」を使うとスッキリしてくると思います。
もちろん、やる気が出ないのも、モヤモヤもするのも両方だよという方もいらっしゃいます。もしかしたら、ほとんどの方がそうかもしれません。僕もそうです。そういう時は、気が補えて、尚且つ気を巡らせる漢方薬をお使いください。市販の漢方薬で、朝鮮人参、麝香、牛黄、羚羊角、沈香などの配合された、鳥山明先生のドラゴンボールでお馴染みの「仙豆」