宿泊先は「貨物コンテナ」。カリフォルニアのいまどきワインツーリズム

ぶどう畑に囲まれたワイナリーで、ワインを味わいながらその土地の食や文化を楽しむ「ワインツーリズム」。カリフォルニアで、いま話題の宿泊施設のご紹介。

州南部パソ・ロブレスのワイナリー「CASS WINERY」に現れる、赤やベージュに染まった直方体の箱。じつはこれ、輸送用コンテナ。長年、船舶の積荷として使用されてきた輸送用のコンテナをつなぎ合わせて客室へとアップサイクルしたものだ。

©11th Street Studios

58ヘクタールのぶどう畑となだらかな丘に囲まれた「Geneseo Inn」は、8つのユニットで構成され、コンテナと地元の廃材などを使用して設計されている。コンテナといっても内部は広々。室内の天井と床もワイナリーで廃材となった木材を使用する徹底ぶり。

「デザインはすべて、ぶどう畑にインスパイアされたもの」とは、設計を担当した「Ecotech Desin」建築家のWalter Scott Perry氏。

8フィート間隔に植えられるぶどうの木と等しく、コンテナも同間隔でモジュールを設置。すべての建物コンポーネントも水平、垂直に位置する配列にすることで、日中は光と影が室内に均等に行き渡り、ぶどう畑の広がりをどの部屋からでも満喫できるんだそう。

飲食店や小売店、宿泊施設をはじめ、コンテナを活用した例は数あれど、「Geneseo Inn」ほどその場の環境に統合した再利用設計はあまりない。

コンテナユニットとぶどう畑の循環型アコモデーション。自由に旅を楽しめるようになったら、こういう場所をまず訪れてみたくなる。

©11th Street Studios
©11th Street Studios
©11th Street Studios
TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。