僕が疲れている人に「マッサージ」をおすすめしない理由【人気ストレッチトレーナー・なぁさん】

在宅のデスクワークが増えた一方で、外出時間や体を動かす時間は減り、同じ体勢を続けた結果、体のあちこちがガチガチのバキバキに。

「そろそろマッサージの予約を取らなくては……」と思っていた時に、ストレッチトレーナー・なぁさんの言葉は、まさに寝耳に水でした。

「体が不調の時、僕はマッサージに行くのをあまりオススメしません。その理由は、マッサージって、その場しのぎだから」。

その代わりになぁさんがストレッチをおすすめしたい理由や効果、実際どのくらいの頻度でやるのがベストなのかを今回は教えてもらいました。

マッサージとストレッチの違いって、「誰かにやってもらうかと自分でやるかの違い」だけだと思ってましたよね?(私だけ?)

マッサージは対処療法、
ストレッチはトレーニングです

人気ストレッチトレーナー・なぁさん、「マッサージは対処療法、ストレッチは筋肉のトレーニングです」
©iStock.com/FreshSplash

マッサージって、揉まれたら気持ち良いし、リラクゼーション効果もあるけど、肩こり改善、腰痛改善に効果があるかといわれたらそれはない。一時的に血流は良くなるけど、根本原因である「骨格の歪み」や、「硬くなってしまった筋肉のケア不足」を解決していないので、体はまたすぐ元の状態に戻ってしまいます。

一方ストレッチは、筋肉を「長くする・柔軟にする」、ある意味トレーニングなんです

でも、筋トレも、はじめの2ヶ月くらいは「筋力」はつくけど「筋肉量」は増えないですよね。ストレッチもそれと一緒。

ストレッチをしたその場では、まず伸張反射(伸ばそうとされる筋肉が切れないように、という信号が脳に送られて、筋肉が収縮する反応)が起こるんですが、20秒くらいでこのリミットが外れて、急に柔軟性が上がるし、1分くらい続ければ、かなり柔軟性は上がります。

しかし、これを3ヶ月くらい続けると、筋肉自体が伸びるんです。伸びて長くなることで、可動域が上がる、つまり柔軟性の高い体が出来上がります。

ストレッチは体づくり。体の不調を根本から改善したいなら、ストレッチをおすすめします。

むくみが取れ、骨格も元通り
見た目もスッキリします

筋肉が長くなったら、女性では見た目も変わる人も多いですよ。

血流が悪いと老廃物や水分がたまるので、むくみます。ストレッチを続けて柔軟な体になると、このむくみが減るので、体重に変化はなくても3ヶ月くらいで明らかにほっそりするんです。

あとは、筋肉は全部骨についているので、硬くなると骨を引っ張り込んで骨格が歪むんです。骨格が歪むと本来つくべき場所じゃないところに脂肪がつく。ストレッチで筋肉が柔軟になれば、骨格が元の位置に戻るので、スッキリ見えるというのもあります。

筋肉を意識するのは「逆効果」
「フォーム」が大事

人気ストレッチトレーナー・なぁさんのストレッチ論
©2020 NEW STANDARD

筋トレをする時に、「筋肉を意識して動いた方が効果が出る」と言われるのは、筋肉は、縮ませることで強化するものだから。意識すると、筋肉は縮むんです。

それに対してストレッチは、筋肉を伸ばすことなので、どこの筋肉を使っているかを意識したら逆にダメなんです。

ストレッチの最中に意識するのは、正しいフォーム

例えば、ももウラを伸ばしたい時は、胸をひざにつけることや体を縮ませるという動きの方を意識して、結果的にももウラが伸びればそれでいいんです。

三日坊主でも良いですよ!

ストレッチは、毎日できれば良いのですが、なかなかそうもいかないでしょう。だったら、週に1回90分、まとめてやってもいいと思います。

もちろん毎日出来そうなら、ちょっとずつやって1週間で計90分

筋トレも、一気に90分やっても、1週間で分割して90分やっても、結果は一緒っていう論文が出ているんですが、ストレッチも同じです。

だから僕は、3日坊主でもいいですよって良く言っているんです。毎日コツコツやるぞ!って意気込んで始めたのに3日でやめてしまっても大丈夫。1週間後にまとめてやればええんちゃうんって。

テレビやスマホ見ながらテキトーで良いです。

目標なんか自己満だからなくて良いです。

ツラくなった時だけ伸ばすでも良いです。

とにかく辞めなければ良いと思います。

続けていけば、トレーニングみたいに、筋肉の質が変わってくるので、こりにくい体質を作っていけますよ。つまり、「こったな」って思う頻度が減るんです。すると自然とストレッチをする時間も減っていく

もちろんそれでも、ハードな仕事をした時は疲れはたまります。

でも、ストレッチを続けたおかげで筋肉が柔らかくなっていれば、その疲れを解消するまでの時間も早くなりますよ。

監修:なぁさん

解剖学を熟知したパーソナルストレッチ専門家。17歳で少林寺拳法の高校日本一、大学では全日本3位に。Twitterでは、元デスクワーカーの経験も活かし、わかりやすいストレッチ動画やストレッチに関する情報を発信。2020年9月からはオンラインレッスンがスタート。効果はもちろん、フレンドリーで相談しやすいキャラも人気の理由。最新刊は『座り仕事の疲れがぜんぶとれるコリほぐしストレッチ』(ダイヤモンド社)。

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TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。