「絵画のなかの香り」を体感できる特別展、この夏開催!
オランダの「マウリッツハイス美術館」が、この夏、「Smell the Art: Fleeting – Scents in Colour(アートを嗅ごう:色彩のなかの儚い香り)」と題して、17世紀絵画に描かれた“匂い”を実際に楽しめる特別展を開催する。
この展覧会のポイントは、素晴らしい香りが漂ってきそうな作品だけでなく、鼻をつまみたくなるような絵画の匂いも再現していること。
たとえば、絵画に描かれる、400年前のアムステルダムの運河は、あらゆる種類の汚物が捨てられており、衛生状態の悪さはもちろんのこと、腐敗臭が酷かったという。
© Jan van der Heyden, Gezicht op de Oudezijds Voorburgwal met de Oude Kerk in Amsterdam, c.1670. Paneel, 41,4 x 52,3 cm. Mauritshuis, Den Haag
こうした悪臭は、健康を害すると考えられており、病気を防ぐためにほかの香りで抑えるべきだとされていた。
裕福な女性が身につけていた「ポマンダー」がその一例だ。アクセサリーであると同時に、ムスクやアンバーグリスの芳香で、危険な臭いから身を守る手立てでもあったのだから。
© Pomander, probably Northern Netherlands, c.1620. Silver and silver-gilt, h. 6 cm. Rijksmuseum Twenthe, Enschede (on loan from the Martens-Mulder Foundation).
そのほかにも、宗教儀式で用いられた乳香(フランキンセンス)や、海外との盛んな交易がもたらしたスパイス、タバコ、コーヒー、紅茶など、約50種類の作品と匂いとを、ディスペンサーで一緒に体感できる。
このご時世、現地に出向くのが難しい方に向けて、家庭用の「フレグランスボックス」と「デジタルツアー」を近日発売予定。
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© Het Mauritshuis/YouTube
Top image: © the image is part of the Mauritshuis collection, The Hague.