この50年と、これからの50年について。いま知っておきたいこと

今から、だいたい50年前——。1970年代。

そう聞くと、リバイバルファッションやシティ・ポップなんかを思い浮かべるかもしれません。たしかに経済やカルチャーがグンっと花ひらいた時代だし、当時の写真や映像を見るとなんだかみんな楽しそう! 貿易規模や消費量、人口なんかも一気に増えて、世界的に都市化が進んでいった時代でした。

このあたりから変化のスピードが早くなったなぁと感じる人も多いでしょう。

しかしその引き換えに、多くの無視できない問題も発生しました。たとえば1970年代以降、地球の陸域は75%が改変され、湿地の85%が失われたそうです*¹。

森林破壊も、海洋汚染も、二酸化炭素の大量放出が地球温暖化につながることも、たった50年。されど50年。この半世紀ほどのトピックなんです。

信じられる?
この50年で脊椎動物の個体群は
平均68%も減少

環境問題については、ショッキングな数値を目にする機会も増えました。

WWF(世界自然保護基金)の『Living Planet Report:生きている地球レポート』2020年版によれば、約50年(1970〜2016年)で世界の脊椎動物の個体群は平均68%も減少。とくに中南米地域の悪化が顕著だそうです。

“減っている” ことは想像していたとしても、この数値には驚きなしで向き合うことはできません。そこでWWFは、同時にこのレポートで「生物多様性を回復させるための具体策」を、科学的根拠と併せて提示。

そこには、これからの50年、私たちが何を見て何をすべきか。そのヒントがありました。

「ベンディング・ザ・カーブ」
それは生物多様性の
回復シナリオ!

もちろん、このまま “何もしなければ” 減少の一途をたどることに……。

そこで注目されているのが、WWFもその一員であり、約40の大学や保護団体、政府間機関で構成されるコンソーシアム「ベンディング・ザ・カーブ・イニシアチブ」がシミュレーションした、2100年までの回復シナリオです*²。

複数の対策を組み合わせた仮説を立て、生物多様性の回復カーブを描きました。

上のグラフを見れば分かるように、環境保全だけでは限界があるため、元の状態まで回復させるには、「持続可能な生産や消費」を組み合わせるなど、統合的な取り組みが必要なんです。

変革の時代だからこそ
知っておきたい
「グリーン・リカバリー」

とはいえ、50年先のことや、2100年のことを考えるなんて、なかなかピンとこないかもしれません。

でも、あなたの子どもや孫たちが生きる時代だと考えれば、そんな遠い未来ではないと現実味を帯びてくると思います。

そして、一気に身近なお話です。今年10月に開催予定の「生物多様性条約締約国会議」では、回復のための2030年目標が合意されるはずです。まずはこの10年で、何ができるか。

コロナ禍は、私たちの暮らしを考え直すひとつのきっかけにもなりました。

今こそ、私たちも含めたたくさんの “いきもの” がたくましく生きられるよう、その復興に投じられる智恵と資金を通じて、地球温暖化の防止や生物多様性の保全を実現して新しい持続可能な社会を築く「グリーン・リカバリー」という考えに向き合うタイミングなのかもしれません。

WWFジャパン、50周年!
もっと身近に「生物多様性」を
感じるために。

今回の話を、むずかしいと感じた人も、かんたんだなと感じた人も。遠い話だなと感じた人も、身近な話だと感じた人も。

結局すべて、私たちが住んでいる地球の話です。つまり、どうあがいても無関係ではありません。

今回の生物多様性のように、さまざまな気づきを与えてくれる環境保全団体「WWFジャパン」も、今年で50周年を迎えました。パンダのアイコンでおなじみですね。この50年ずっと環境の変化と向き合い活動してきた彼らですが、これからの50年100年は、もっと大事な時代に突入すると同時に、さらなるアップデートが必要でしょう。

 

現在「WWFジャパン」の公式LINEアカウントでは、友だちになると、登録した日から7日間「Welcome Magazine」を配信中。地球環境や生物多様性のトピックについても、グッと身近に触れることができます。(友だち限定のフォトギャラリーもオススメ!)

一気に生活様式を変えることは難しいかもしれませんが、ほんの少しのアップデートが、このあとの50年、100年へと繋がっていきます。

昨日より今日、今日より明日、と少しずつ自分ごと化してみませんか?

→今すぐチェック

*¹ IPBES.(2019).Global assessment report on biodiversity and ecosystem services of the Intergovernmental Science-Policy Platform on Biodiversity and Ecosystem Services. IPBES secretariat,Bonn,Germany.
*² Leclére,D.,Obersteiner,M.,Barrett,M.,Butchart,S.H.M.,Chaudhary,A.,et al.(2020).Bending the curve of terrestrial biodiversity needs an integrated strategy. Nature.