オンライン礼拝!?「VR寺院」が人気沸騰【インド】

withコロナ時代、直接足を運んだり触れたりすることが難しくなったのは、人と人との関わりだけでなく、神様と信者の関わりも同じようだ。
 
人口およそ14億人の約80%がヒンドゥー教徒インドでは、昨年来のパンデミックにより、密集を避けるために寺院の閉鎖が相次いでいる。
 
そこで救世主となったのが、24時間年中無休でオンライン礼拝を叶えるアプリ「VR Devotee」だ。意外なことに、このアプリは2016年にインドのスタートアップ企業「Kalpnik」が、すでに開発していたもの。
 
150か所の聖地からのライブ配信、ヒンドゥー教の祭典の映像バーチャルリアリティでの寺院体験などを提供していた同サービスが、この未曾有の事態にマッチしたようだ。

©︎vrdevotee / Instagram

同社に取材したChris Newens氏曰く、サービスへのアクセス数は昨年2月時点で9000万回
 
この爆発的な人気。パンデミックがその一因であることは言うに及ばず。だが、どうやらそれだけではないようだ。
 
あまたの教徒が参加するヒンドゥー教の巡礼には、従来途方もない時間がかかっていたこと、さらには、400億ドル(約4兆3900億円)とも言われる宗教市場も寄与していることは想像に難くない。
 
創業者のひとりであるJohn Kuruvilla氏によると「寺院の司祭たちは今、多くの信者にアプリをダウンロードするよう勧めている。教徒の信仰方法について最も影響力があるのは司祭であるため、この危機を乗り越えたときに会社にとって最も重要になるのは、こうした関係である」とのことだ。
 
急速にOMO化が進むなかで、テクノロジーと信仰を組み合わせ、それが教徒に広く受け入れられた顕著な一例。
 
日本ではアプリはダウンロードできないが、公式サイトやYouTubeでのライブ配信にはアクセス可能。おうちから、花や音楽に満ちた祭典を覗いてみるのはいかが?
Top image: © Madrugada Verde/Shutterstock.com
TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。