礼拝がないと、何もかも虚しく感じる
今、ムスリムは世界に19億人もいると言われている。とはいえ、日本に暮らす僕たちは、まだまだ彼らのライフスタイルを具体的には分かっていない。
そこで、ムスリムとの距離感を縮めるために、東京生まれ東京育ちのクリエイター、ラハマリア・アウファ・ヤジッドさんにお話を聞くことに。もちろん、彼女もイスラム教を信仰するひとりだ。
ムスリムに聞いてみたいと思ったことはあるけど、正直、聞きづらい……そんなアレコレについて教えてもらった。
第5回目のテーマは「礼拝」。
【礼拝の立ち位置】
何よりも優先すべきこと
五行六信のうちのひとつ、それが「礼拝」。
義務でもある1日5回の礼拝は、それぞれ定められた時間におこないます。
夜明け前、昼、午後、日没、そして、夜──。
礼拝時刻は日照時間によって異なりますが、これは世界中のどこにいても同じです。
イスラム教は食べ物の戒律やヒジャブのイメージが強いですが、礼拝はめちゃくちゃ大事です。例えると、礼拝は“心の食事”。
食事って、とても大事ですよね。人間は食べ物を食べないと生きていけません。そんな食事は体のため。
でも、人は体だけではできていません。心がありますよね。心と体です。
礼拝では心を落ち着かせることができる。ゲームでいうとセーブポイントみたいな感覚ですかね。
礼拝を通して、私たちは神様を想い起こして、その恵に感謝して、犯した過ちを悔い改めます。
人間は弱い生き物としてデザインされているから、何かにすがって生きるのは人間の本能。
仕事だったり、恋愛だったり、友だちだったり……人には必ずすがっている対象、いわば“生きがい”ってものがあるはずです。それを失えば、生きる気力を失うもの、それが“生きがい”です。
私たちムスリムにとっては信仰が生きがいで、礼拝は神様と繋がれる方法のひとつ。
喜びも不安も、全部そこできれいにする。人の心は体と同じように、放っておけば、どんどん汚れていきます。
友だちとの時間や趣味の時間、それらももちろん楽しくて心が晴れやかになるけど、その何よりも心をきれいに浄化させてくれるのが礼拝です。
額ずくことができる場所なら、礼拝はどこでもできます。地球全部がそのスペースになります。
そんな礼拝も、神様からの恵です。人間が生きるために必要な行為だから、神様が私たちのために礼拝を教えたのです。神様が必要としているんじゃない。人間が必要なんです。
どんなに忙しい仕事中でも、楽しい旅行先でも、礼拝はなによりも優先すべきこと。
礼拝がないと、成功も幸せも、何もかもが虚しく感じます。起こりうる全ての出来事は、神様の許可なくして起こり得ないから。
たった数分の行いだけれど、このルーティンなくして、私は私でいられないんじゃないかな。
インドネシア人の両親をもつ、東京都出身のクリエイター。ヒジャブを使ったモデストファッションを提案し、東京らしいセンスを取り入れたメイクやファッションをInstagramを中心に発信している。スタイリングアドバイザーとしても活躍中。
【Instagram】https://www.instagram.com/aufatokyo/
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