ヒジャブを着けると、気持ちが楽になるんですよ
今、ムスリムは世界に19億人もいると言われている。とはいえ、日本に暮らす僕たちは、まだまだ彼らのライフスタイルを具体的には分かっていない。
そこで、ムスリムとの距離感を縮めるために、東京生まれ東京育ちのクリエイター、ラハマリア・アウファ・ヤジッドさんにお話を聞くことに。もちろん、彼女もイスラム教を信仰するひとりだ。
ムスリムに聞いてみたいと思ったことはあるけど、正直、聞きづらい……そんなアレコレについて教えてもらった。
第1回目のテーマは「ヒジャブ」。
【ヒジャブの役割】
神秘のベールで美しさを包み隠す
イスラム教を信仰する女性は、髪や肌を隠さなければならない──。こんな話を耳にしたことがあるのでは?
「ヒジャブは女性に対する抑圧だ!」などと思われがちなんですけれども、まったくそんなことはないんですよ。
そもそも、なぜヒジャブをしなければならないのか?
答えは“むやみやたらに男性を誘惑しないようにする”です。つまり、あえて美しさを隠しているんです。
クルアーンにはこうした理由とともに教えが書かれていて、私たちはそんな神様からのメッセージを信じているのです。
じつはこのヒジャブ、女性だけに限った概念ではありません。
女性はヒジャブをして、自分の美しさを覆い隠しますが、一方で男性はそんな女性に対して、敬意の気持ちをもって接していくことが大事なのです。
男性には「目のヒジャブ」という概念があり、視線を下げて貞節を守る教えがクルアーンに書かれています。そして、男性の容姿に関しても、タンクトップや短パンといった露出の多い格好は控えるように求められています。
肌や髪の露出がいけないからといって、自由ではなくなるか?と言われると、全然そんなことはないんです。
ヒジャブの色や生地、巻き方に指定はないので、その日の気分や、あとはTPOに適したスタイルにする。もう、髪型と同じノリですよ。
ただ、違うなと思うのは、自分から過度に「美しさ」をひけらかさないところですかね。
肌を隠すことだって、全然苦じゃないです。
あと、日本では体型を主張しない「オーバーサイズ」がトレンドなので、うまいことイスラムの教えに重なっている部分もあるんです。
ちなみに、私は帽子を組み合わせたスタイルが好きで、バケットハットやベレー帽、ニット帽など、たくさんのコレクションがあります。
ヒジャブ──。それは物理的に女性の肌や髪を隠すだけにとどまらず、思考や言動をも慎しみ深いものにしてくれるのです。
そうすることで、女性の美しさと魅力がより尊いものになります。女性というのは、神様がつくった何よりも美しい生き物だから。
私たち男女がお互いにその本質を理解していれば、見た目の美しさにとらわれすぎないことこそが女性を幸せにするってわかる。さらに、男女の共存する世界における“理想のかたち”だとも思っています。
気持ちが本当に楽になるんですよ、ヒジャブって。
インドネシア人の両親をもつ、東京都出身のクリエイター。ヒジャブを使ったモデストファッションを提案し、東京らしいセンスを取り入れたメイクやファッションをInstagramを中心に発信している。スタイリングアドバイザーとしても活躍中。
【Instagram】https://www.instagram.com/aufatokyo/
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