罵声を浴びながらも、踊り続けるバレリーナ
バレリーナと聞いて、どんなイメージを思い浮かべるだろうか。
誤解を恐れずに言うならば、スラッとした白人女性が踊っているところだろう。きっと、多くの人が同じような印象を抱いているはずだ。
この種の偏見(自戒も込めて)のため、Stephanie Kurlowさんは批判の対象になる経験を何度もしてきた。なぜなら彼女は、ムスリムとしてヒジャブを被りながら踊っているから。
しかし、どんなに罵声を浴びても諦めない生き方には見習うべきポイントがある。
小さな声を無視して
大きな夢を追いかける
Stephanieさんはシドニーで生まれで、現在16歳。2010年に両親がイスラム教に改宗してから、自身もムスリムとして暮らしている。
2歳のときから彼女はダンスを始めているが、ヒジャブをつけるようになってから、バレエスクールに通うのが難しくなったという。当時は、マイノリティに対する寛容性が今ほどなかったからだ。
母親の協力を得て、なんとかヒジャブをつけたままレッスンを受けられるスクールを見つける。そして、ダイバーシティーを推し進めるためにもクラウドファンディングで、入学金を募ることを決意。
資金調達にも成功し、世界中にStephanieさんの名前は広まるのだが、これはネガティブな経験をするきっかけにもなった。
「今すぐバレエをやめろ。自分の国に帰れ。そんな格好じゃ踊れない」
普通なら諦めたくなる状況でも、彼女は立ち上がった。今では心無いコメントさえも原動力にしているようだ。
「枠にとらわれないように。他の人が厄介だと思うことにこそ、可能性を見いだせるはず」
どんなに辛辣な意見も跳ね返す方法を聞いたところ、このように教えてくれた。
大きな目標があるからこそ、小さな障害を簡単に乗り越えられるのかもしれない。
Stephanieさんの夢はヒジャブを被ったバレリーナのイメージを定着させることだ。