米上院「フカヒレ販売禁止」を可決
中華料理の高級食材として知られるフカヒレ。いま、アメリカでそのフカヒレが市場から消えようとしている。
米上院は去る6月8日、フカヒレ販売撤廃法を可決し下院に提出。フカヒレ、およびフカヒレ製品の商業的廃止をまた一歩現実へと近づけた。
2019年に最初の法案が提出された際、上院はこれを退ける格好となったが、あれから2年、いよいよ“機は熟した”な感がある今回は、かなりの本気モードのよう。
2010年のサメ保護法成立以来、フカヒレ目的の漁や船上での所持が禁じられてきたなか、たとえば輸入フカヒレのおもな荷上げ先となるワシントン州、中国系移民が多くチャイナタウンが発展しているカリフォルニア州などでは、独自にフカヒレ取引禁止を承認してきた。
今回の法案は、国内での販売禁止という強権。下院でもこれが可決となれば、いよいよアメリカでのフカヒレ料理の提供がストップとなる。すでにイギリスでも、動物福祉の向上を理由に、先月「フカヒレの輸出入を禁止する」との政府発表がなされている。
チャイナタウンでレストラン経営する華僑たちにしてみれば、貴重な収入源を失うことになるだろうが……雀の巣、クマの手、ナマコにアワビ、中国4000年の珍味は揚げはじめればキリがない、か。
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