アメリカが1年中サマータイムになるかも?しかし、そこには問題が……
アメリカ合衆国では、1年中「サマータイム」にする動きが出ている。
2022年3月中旬に、サマータイム通年化の法案が上院で満場一致で可決された。このまま下院でも通過して大統領が署名をすれば、2023年の3月にサマータイムに移行したあとはずっとそのままになる。
1年を通してサマータイムなら、健康面でメリットがあるという。日の光を早く浴びるようになれば活動的になりやすいし、日が沈んでからの時間を長く過ごすことで睡眠の質が高まる可能性もある。
また、子どもは外で長く遊べるため、肥満を抑制する効果も期待できるという。
ほかにも、治安面でもメリットが見込まれている。1年中サマータイムなら、遅い時間帯の犯罪が減るのではないか、との意見も出ているようだ。
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いっぽうで、サマータイム通年化に否定的な意見も。
もし秋や冬でもサマータイムなら、子どもたちは日が昇る前に登校しなくてはならないからだ。暗いうちから外に出るのは、危険という見方もうなずける。
じつは、サマータイムの通年化はこれが初めてのことではない。
1974〜1975年に実施されていた時期もある。それが廃止になった理由は、やはり日の出前に子どもを登校させるのは不安だから。
秋や冬の登校問題を解消しないかぎり、仮に今回サマータイムの通年化が決まっても、近いうちに再び「時計を年に2回合わせる生活」が戻ってくるだろう。
Reference: Year-round daylight saving time could have far-reaching effects, from health to education
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