【全体比の2倍】米「再生可能エネルギーの雇用市場」が記録的な伸び
米エネルギー省が、国内のエネルギー関連の雇用動向を把握するための年次報告書(USEER)を発表。部門全体での雇用は25万人増加し、そのうちの56%がクリーンエネルギー関連の仕事であったことを明らかにした。
急成長するクリーンエネルギー雇用市場
インフレ削減法が後押しか
報告書によれば、2023年の米国のクリーンエネルギー分野における新規雇用は、前年に比べて14万2000人増加。他の経済分野と比較し、じつに2倍以上もの伸び率となった。労働組合の結成率も上昇傾向にありエネルギー分野全体の11%を上回る12.4%だったという。
エネルギー省は、この飛躍をバイデン政権のインフレ削減法(IRA法)によるものと分析。再生エネルギー投資の税額控除を実施した同法が、各州における再生エネルギー分野の成長を促したとした。
同省のエネルギー雇用担当責任者は、クリーンエネルギーのインフラ整備における雇用の拡大は「今後も数十年にわたって継続する」と述べ、クリーンエネルギー部門における更なる雇用創出に期待をよせる。
地球も雇用も守る
「グリーンジョブ」の広がり
環境保全や持続可能な成長に貢献する職業は「グリーンジョブ」と呼ばれ、環境問題への懸念の高まりとともに、業界問わず、昨今益々注目を集めている。
今回の報告書では、石炭分野では約8500人(5.3%)、石油分野では4万4000人以上(6%)減少と、クリーンエネルギーの盛り上がりと対照的に化石燃料における労働市場の落ち込みも明らかとなった。
地球を守るだけでなく、自分たちの雇用を守るための選択として。グリーンな職業選びは、今後益々重要性を増していくのかもしれない。
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