スウェーデンの会社が320万円の「ベビーベッド」を制作。その理由とは……?

近頃、目にすることが多くなってきたサステイナブルな商品。しかし、製造や運送の過程も含めて、化石燃料を一切使用しないことは現実的に可能なのだろうか?

そんな疑問を検証をすべく、スウェーデンに拠点を置くエネルギー会社「バッテンフォール」は、原料や素材はもちろん、製造工程で必要となる電力や輸送にかかるエネルギーなどのすべてにおいて化石燃料を一切使用せずに「ベビーベッド」を製作。

その過程をまとめた様子をYouTubeで公開中だ。

© Vattenfall Nederland/YouTube

必要となる木材は電気を用いたチェーンソーで伐採し、電気自動車で輸送。グリーンエネルギーで稼働する製材場へと運ばれて加工された。また通常必要となるコットンは、化石燃料を使用せずに輸入するのが困難なため、地元で取れる麻を手織機でリネンに加工して代用。ウールはオランダのテッセル島からヨットで運ばれたという。

また、小さなロゴ入りの鉄部品を作成するにあたっては、スウェーデンにある会社と協力して水素を用いた“パイロットプラント(実験工場)”を建設。化石燃料に多く依存している鉄産業にとって、この試みは世界初となった。

徹底的に化石燃料を使用せずに制作された、この木製の上質なベビーベッド。なんと、すべての製造にかかった費用は$28,855(約320万円)に及んだという。

日常で使用する製品が、いかに化石燃料に依存して作られているのかを浮き彫りにした今回の実験。真にサステイナブルな製品を一般の消費者が手軽に買えるようになるまでは、まだまだ時間がかかりそうである。

Top image: © 2020 Vattenfall/DDB
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