「狭い空間」での飼育を禁ずる。住民投票で77%が支持

20世紀の「使い捨て社会」から循環型の社会へ。いま世界の多くの人々が、そのための努力を続けています。大量生産、大量消費、大量破棄。それらが食品業界にもたらしたものは、環境破壊やゴミ問題だけにとどまりません。

たとえばこの問題。マサチューセッツ州の決断は、今後アメリカのみならず世界の食産業にとって、ターイングポイントになるかもしれない。

 

「狭い空間」での飼育を禁ずる
住民投票で77%が支持

2016年11月8日、大統領選挙の投票が行われたこの日、マサチューセッツ州の会場では、他にも重要な法案がいくつか住民投票されていた。そのひとつが、畜産農家が豚や牛、鶏、羊などの家畜を、狭い空間で飼育することを禁じた法案、「Question3」。

ニューヨーク・タイムズによれば、投票数約320万のうち、77.7%にあたる2,502,676人が賛成を示し、法案が可決。これにより、マサチューセッツ州はアメリカで初めて家畜の飼育方法を厳しく見直す覚悟を他の州に示したことになります。

自由に家畜が動き回れないのは、
「動物虐待」に等しい

ところで、今回の法案の焦点となった“狭い空間”とは、どの程度のスペースを意味するのか。ワシントン・ポストは、動物たちが横たわることも立ち上がることもできず、手足(もしくは羽)を自由に伸ばせる空間がない施設。

具体的には、卵を産ませるだけの鶏のケージや、繁殖目的で雌豚や子牛を身動きの取れない檻に閉じ込めること、と大きく分けて3つの施設の使用を禁ずる内容となりました。

この法案に違反した畜産農家は、生産販売の権利が停止される処分を受けることに。また、州外の畜産農家に対しても、今後、残忍な方法で飼育された肉や卵などの生産物を仕入れることも同様に禁止するとのこと。

勝利は家畜たちの生活が、
改善されていくことにあり

アメリカでは毎年、魚類も含めると、おおよそ90億の生き物を食用として処理しているそうです(米国人同協会調べ)が、連邦政府がこうした家畜たちへの哀れみや、生きる権利を尊重するようになったのも、この十年程度。

実際、今回の法案可決によって、加工肉や卵、乳製品の価格高騰が予想されるという見方もあります。それでも、この選択を支持したマサチューセッツ市民に対し、アメリカ動物虐待防止協会のMatt Bershadker会長が寄せた賞賛のコメントが印象的だったので、最後に紹介したいと思います。

「今回の投票は、われわれ人間ではなく、生きる権利を認められた動物たちの生活が改善されていくことこそが、本当の勝利です。今まで以上に、彼らの苦しみを私たちが感じてあげる必要があるはずです」。

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