カリフォルニア州、ガソリン車の新車販売を禁止へ
カリフォルニア州が先月、ガソリン車の根絶に向けて大きな決断を下した。
大気資源委員会(CARB)が、2035年までに州内でガソリン車の新車販売を禁止する法案を採用したのだ。
この規制は、「ゼロエミッション車」として認定された新車のシェア率を拡大させていくことで段階的に行われていく予定で、2026年までに35%、30年までに68%、35年に100%に到達させることを目標としている。
環境対策への動きが本格化している昨今、ヨーロッパでは車そのものを廃絶させる動きが盛んになってきている。
中でも、昨年の仏パリ市の決定は議論を呼んでいたが、比較的国土の狭いヨーロッパ諸国において、自家用車の撤廃は現実味を帯びつつあると言える。
一方のアメリカは、広大な国土を誇るがゆえに、車無しでの生活は成り立たないと言っても過言ではない。
そして今回決定を下したカリフォルニア州は、米最大の自動車市場とも呼ばれる地域。伴ってアートやカルチャーを育んできたこともあり、撤廃というわけにはいかないのだろう。
「ガソリン車禁止」は、“必需品”たる自動車を環境汚染の原因にさせないための最善策といったところか。
さて、日本はと言うと。
2021年の菅政権時代に「2035年までに新車のシェアを100%EV車にする」という方針を発表している。
先のカリフォルニアと同じく「2035年」と明確な数字を出しているものの、電力供給や車両価格の高騰などを踏まえると、日本国内でのガソリン車根絶はかなり厳しいのが現状だ。
日本の自動車メーカーは、国内での販売を考えると完全EV化は難しいが、アメリカ最大の市場を失うわけにもいかないという状況。この先の10年に向けて、何か手を打つ必要があるだろう。
先陣を切ったカリフォルニアにどう反応するのか、今後に注目したい。