イングランド、16歳未満へのエナジードリンク販売禁止へ
イングランドにおいて、16歳未満の子どもへのエナジードリンク販売が禁止される方針だ。
肥満や睡眠障害、そして学校での集中力低下といった健康への懸念が、今回の決定の背景にあるという。
カフェイン過剰摂取による健康被害を問題視
この禁止措置は、1リットルあたり150mgを超えるカフェインを含むエナジードリンクを対象とする見込み。
レッドブルやモンスターといった人気商品がこれに該当し、店舗や飲食店、ウェブサイト、さらには自動販売機での販売も違法となるようだ。
『Guardian』誌の報道によれば、これは労働党が昨年の総選挙で掲げた公約を実現するもので、ウェス・ストリーティング保健相は「毎日ダブルエスプレッソに相当する量を摂取している子どもに、どうして学校で良い成績を期待できるでしょうか」と必要性を語ったとのこと。
専門家や教員は歓迎、一方で実効性への課題も
この動きに対し、医療専門家や教員組合、歯科医からは歓迎の声が上がっている。
肥満健康同盟のディレクターであるキャサリン・ジェンナー氏は、「高カフェインのエナジードリンクは子どもの手にはふさわしくありません」と述べ、未成年者へのアルコールやタバコの販売規制が成功した例を挙げ、年齢に基づく販売制限の有効性を指摘したという。
一方で、英国歯科医師会は、虫歯対策としてゼロシュガーや低糖質の製品も禁止対象に含めるべきだと、さらなる規制強化を要求。
また、NASUWT教員組合のマット・ラック書記長は、禁止後も親や他の大人を通じて子どもたちがドリンクを入手する可能性が残ると、実効性への懸念を示している。
教室での問題行動と業界の自主規制
教育現場では、エナジードリンクを摂取した子どもたちが「授業中に落ち着きがなくなる」といった問題が長年懸念されてきたようだ。
ある教員は、「生徒が学習に集中することを非常に困難にし、騒がしく興奮させるように見える」とコメントしている。
これに対し、英国清涼飲料協会のギャビン・パーティントン事務局長は、業界として16歳未満へのマーケティングや販売促進は行っておらず、自主規制の行動規範が存在すると反論。
今後のいかなる規制も、利用可能な証拠の厳格な評価に基づくべきだとの見解を示したとのこと。






