現代の「キング牧師」。それはきっと──「あなた」です

何気ない一日に思えるような日が、世界のどこかでは特別な記念日だったり、大切な一日だったりするものです。

それを知ることが、もしかしたら何かの役に立つかもしれない。何かを始めるきっかけを与えてくれるかもしれない……。

アナタの何気ない今日という一日に、新しい意味や価値を与えてくれる。そんな世界のどこかの「今日」を探訪してみませんか?

キング牧師が「I Have a Dream」と演説した日

58年前(1963年)の今日、8月28日、米・ワシントンD.C.の当時のランドマークともいえる「リンカーン記念堂」は、見渡す限りの人の波のなかにありました。その数、なんと20万人。

ときはアフリカ系アメリカ人たちが差別撤廃、権利と自由の獲得を叫んだ「公民権運動」の真っ最中。のちに“アメリカ史上、最大のデモ”と呼ばれる「March on Washington for Jobs and Freedom(ワシントン大行進)」でのことです。

この運動の指導者であるマーティン・ルーサー・キング・ジュニア牧師は、憲法上で自由が認められているにもかかわらず、黒人などへの差別や偏見が平然とまかり通る社会への憂いを込めた演説の中盤、マイクに向かってこう叫びました。

「I Have a Dream!(私には夢がある!)」と──。

大国・アメリカが“階級文化”を背景にしてふたつに割れた「南北戦争」の最中にあたる1862年、第16代大統領のエイブラハム・リンカーンが「奴隷解放宣言」に署名。いくつかの州は人種にこだわらない多様な社会実現への一歩を踏み出しましたが、「ジム・クロウ法」と呼ばれる人種隔離政策によって、黒人をはじめとする有色人種はさまざまな制限を受け続けていました。仕事や結婚、そして日々の生活に至るまで......。

肌の色、人種、宗教を超えて手を取り合うことの重要性を訴えて結ばれたキング牧師の演説の内容は、その後、そのすべてが現実になったとはいえません。

ときは経ち、2020年、記憶にも新しい、黒人男性が米・白人警察官の非情な拘束により死亡した事故......いや、事件をきっかけに「Black Lives Matter=BLM」と呼ばれる人種差別に対する抗議活動は世界中へと拡大し、大きな展開をみせます。

SNSやネットの発達により#BLMは大きなうねりとなって世界を包みましたが、それを実現したのは、差別をなくし、多様な社会の実現と真の平等を願う人々の強い想いにほかなりません。

今もなお語り語り継がれる「I Have a Dream」という偉大な指導者のメッセージは、主語を「We」に変えて現代も生き続けているのです。

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TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。