「Boys, be ambitious」に「続き」が?いまだ真相が解明されていない「ふたつの説」

何気ない一日に思えるような日が、世界のどこかでは特別な記念日だったり、大切な一日だったりするものです。

それを知ることが、もしかしたら何かの役に立つかもしれない。何かを始めるきっかけを与えてくれるかもしれない……。

アナタの何気ない今日という一日に、新しい意味や価値を与えてくれる。そんな世界のどこかの「今日」を探訪してみませんか?

クラーク博士が名台詞「Boys, be ambitious」を残した日

世の中には数多くの名言が存在します。

なかでも、若い世代の未来への不安や迷いを断ち切って勇気を与え、背中を押してくれる名言として語り継がれる、この言葉──「Boys, be ambitious(ボーイズ・ビー・アンビシャス)」。

「青年たちよ、大志を抱け」と和訳されるこの台詞は、北海道開拓の指導者を育成するために創設された「札幌農学校(現・北海道大学)」の初代教頭であるウィリアム・スミス・クラーク博士の言葉です。

1877年の今日4月16日、わずか8ヵ月間という短い在職期間でありながら、のちに“北海道開拓の父”と呼ばれるまでとなったクラーク博士は、任期を終えて学舎を去る際に学生たちに向けた“はなむけの言葉”として、この名言を残したといわれています。

が、この有名な台詞に“続き”があるといわれているのをご存知ですか? それも、驚くことに、ふたつの説が存在するというのです。

「北海道大学 附属図書館」の公式サイトによると、その二つとは以下。

「Boys, be ambitious like this old man.」

 (青年たちよ、大志を抱け。この老人の如く)

「Boys, be ambitious! Be ambitious not for money or for selfish aggrandizement, not for that evanescent thing which men call fame. Be ambitious for knowledge, for righteousness, and for the uplift of your people. Be ambitious for the attainment of all that a man ought to be.」

(青年たちよ、大志を抱け!金のため、または利己的栄達の

ためにでもなく、ましてや人よんで名誉と称する

空しきもののためにでもない。

知識に対して、正義に対して、かつ国民の向上のために大志を抱け。

人として、まさにかくあらねばならぬすべてのことを

達成せんとするために、大志を抱け)

みなさんは、それぞれの“続き”のメッセージをどう感じましたか?

ふたつの説には「当時、50歳のクラーク博士が自身をold man(老人)と称するのはおかしい」や「録音機器など普及していない時代に、去り際に発せられたこんな長い台詞を一言一句記録することなど不可能」など、関係者や研究者の間でもさまざまな意見があるようです。

ともあれ、北海道「さっぽろ羊ヶ丘展望台」に設置されている、フロックコートの裾をはためかせ、彼方に広がる地平を右手で指し示す、かの有名なクラーク博士の立像は、どこか閉塞的な空気が漂う現代に希望を与えてくれる存在であることは間違いありません。

と、蛇足ではありますが、一説によるとクラーク博士が「Boys, be ambitious」と発したのは、多くの人が知る像のような立ち姿ではなく“馬上”だったとの説もあるようで、このお話の“続き”はまたの機会に、あらためて......。

Reference: 北海道大学
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