文明の利器?破壊の道具?「ダイナマイト」が生まれた日
何気ない一日に思えるような日が、世界のどこかでは特別な記念日だったり、大切な一日だったりするものです。
それを知ることが、もしかしたら何かの役に立つかもしれない。何かを始めるきっかけを与えてくれるかもしれない……。
アナタの何気ない今日という一日に、新しい意味や価値を与えてくれる。そんな世界のどこかの「今日」を探訪してみませんか?
アルフレッド・ノーベルがダイナマイトの特許を取得した日
「人類に最大の貢献をもたらした人々に贈られる賞」として世界中がその行方に注目する「ノーベル賞」。
「物理学」「化学」「生理学・医学」「文学」「平和」「経済(※)」の各分野でそれぞれ最大3名までが授賞する栄誉ある賞に、2021年、日本からは、気候変動や地球温暖化の予測を可能にする画期的なシステムを開発した研究者・真鍋淑郎氏(物理学賞)が輝きました。
さて、1901年に誕生したノーベル賞は、スウェーデンの科学者にして実業家のアルフレッド・ノーベルの遺言によってはじまったものなのですが、この人物が何を発明し、そしてなぜ巨大な財を成したか知っていますか?
彼が発明したもの......それは、用途はさまざまあるにせよ、本質的には“物体の破壊”を唯一の目的とする爆薬・ダイナマイト。
155年前(1867年)の今日11月25日は、ノーベルがニトログリセリンを用いたダイナマイトで特許を取得した日です。
山野や地下を開拓して人々の生活圏を広げ、地中に眠る鉱物やエネルギーの採掘に役立てることでその暮らしを豊かにしてきたダイナマイトですが、おそらく多くの人の頭には、平和的な利用“以外”の使い方も浮かんでいるのではないでしょうか。
そう、人の命を奪う“武器”としての使用です。
事実、ノーベルはダイナマイトを武器化することで、自身が代表を務める小さな鉄工所を世界規模の企業に発展させ、巨万の富を得ました。
「そんな冷酷に思える人が、なぜ賞を作ろうと?」
このお話の続きは、またの機会に......。
※「スウェーデン国立銀行」が設立300年を記念して設置した賞。正式名称は「アルフレッド・ノーベル記念経済学スウェーデン国立銀行賞」であり、厳密にはノーベル賞ではない。