「嫌いな人」はいる?その人、もしかしたら......【歴史のお話】
何気ない一日に思えるような日が、世界のどこかでは特別な記念日だったり、大切な一日だったりするものです。
それを知ることが、もしかしたら何かの役に立つかもしれない。何かを始めるきっかけを与えてくれるかもしれない……。
アナタの何気ない今日という一日に、新しい意味や価値を与えてくれる。そんな世界のどこかの「今日」を探訪してみませんか?
「ライバルが手を結ぶ日」
突然ですが、あなたに「ライバル」はいますか?
そもそもライバル(rival)とは、ラテン語で「小さな川」を意味する「rivus」を起源にもつ言葉といわれています。
生命と生活に水(水源)は欠かすことのできない存在であり、それを巡って争う関係性になぞらえたものなのですが、今日1月21日は、日本で起きたある出来事をもとに「ライバルが手を結ぶ日」とされています。
その出来事とは「薩長同盟」の結成。
そもそも、“尊王攘夷”こそが日本の正しい道であると主張する長州藩と、京都の朝廷と江戸幕府が手を取り合って国を統べるべき(公武合体)と考える薩摩藩は、その政治的スタンスの違いから、幾度にもわたって文字通り血で血を洗う衝突を繰り返していました。
そんな反・幕府派の長州と幕府を支持する薩摩という敵対するふたつの藩の間を取り持ったのが、土佐藩出身の坂本龍馬です。
龍馬は並外れた高い交渉力と発想力、実行力、そして圧倒的な胆力を活かし、食糧難にあえいでいた薩摩藩には長州藩の米などを、そして武力不足に頭を悩ませていた長州には薩摩製の武器などを流し、それぞれがWin-Winになる関係性を構築。
そして今から157年前(1866年)の今日、“倒幕”を旗印に掲げる薩長同盟が誕生したのです。
諸藩に対して大きな影響力と発言力をもつ薩摩と長州の同盟結成により、時勢は一気に加速。1867年、徳川15代将軍・慶喜の政権返上(大政奉還)により、約260年にわたって続いた江戸幕府は終わりを迎えることとなったのです──。
薩摩と長州、アプローチは違っていても、目指すゴールはともに日本の明るい未来の実現だったのと同じように、あなたが“敵”認定しているあの人も、自身を高めてくれる“好敵手(ライバル)”かもしれませんよ。