「オールブラックス」世界最強ラグビーチーム誕生のものがたり
何気ない一日に思えるような日が、世界のどこかでは特別な記念日だったり、大切な一日だったりするものです。
それを知ることが、もしかしたら何かの役に立つかもしれない。何かを始めるきっかけを与えてくれるかもしれない……。
アナタの何気ない今日という一日に、新しい意味や価値を与えてくれる。そんな世界のどこかの「今日」を探訪してみませんか?
ニュージーランド初のラグビー試合が開催
圧倒的パワーとスピードで並み居る強豪国を相手にトライを決める、黒衣軍といえばご存知ラグビーニュージーランド代表(オールブラックス)。試合開始前に行う先住民マオリ伝統の戦いの舞「ハカ」は、世界でもっとも象徴的なスポーツの儀式のひとつ。
そのラグビー大国誕生の黎明期が今日のトピックスです。
1823年、英国でフットボールから派生して生まれたとされるラグビーは、いかにしてニュージーランドへと到来したか。ご存知ですか?
1840年、英政府とマオリとのあいだでワイタンギ条約が締結。ニュージーランドは英国に正式に併合されることとなった後、最初の入植者らによってもたらされたという説があります。
けれど、そこからの広まりはどうやらみられなかったようで、もう一つ有力視されているのがこちら。
それは1860年代後半のこと。スコットランド・エジンバラ出身のチャールズ・J・モンロが、留学先の英国でラグビーと出会い、これをニュージーランドに広めたとされる説です。
モンロは友人たちを集めてルールを一から教え、屈強な男たちは次第にラガーマンへと成長していったんだとか。
そして1870年5月14日、ニュージーランド南島北東部の都市ネルソン市内の植物公園において、国内初となるラグビー試合が開催されることになりました。
モンロ率いるネルソンクラブと地元の超エリート高ネルソン・カレッジによるフレンドリーマッチ。これがニュージーランドラグビーの本格的な始まりとされています。ちなみに試合が行われたその場所には、いまも記念の碑が建っているそうですよ。
その後ラグビー人気は急速に高まり、カンタベリーとウェリントンでラグビー協会が発足。1882年にはオーストラリアより遠征チームが、1888年にはイングランド、スコットランド、ウェールズの選手で構成されたブリテン諸島チームが遠征試合を行い、1892年、正式に全国的な組織としてニュージーランド・ラグビーフットボール協会(NZRFU)が設立されました。
その後のオールブラックスの活躍は、みなの知るところ。W杯史上最多となる3回の優勝にくわえ、国際大会においても最多の優勝記録を保持、さらに、これまで対戦したすべての対戦国に世界で唯一勝ち越しているのもオールブラックスのみ。まさに最強。
ニュージーランドにおいて、国技でもあるラグビーはいまや文化のひとつ。国の支柱をなす重要な存在となったオールブラックスの活躍が期待される「ラグビーワールドカップ2023」は、9月フランスにて開催予定です。
しかも、開幕戦は開催国フランスと激突。ラグビー生誕200周年を記念する好カードに今から胸がアツくなります!って、ちょっとばかし早過ぎでしょうか(笑)