史上初、アジア人が「億万長者ランキング」にて3位を獲得

「アジア最大のお金持ち」と聞けば、中国人を想像する人は多いのではないだろうか。ところが、その状況は既に覆されているようだ。

先月、「ブルームバーグ通信」が公開しているビリオネア番付(=富豪ランキング)にて、インド人のゴータム・アダニ氏が3位にランクイン。「LVMH」のベルナール・アルノーを抜かし、イーロン・マスクとジェフ・ベゾスに続くかたちだ。

インド人が番付トップに入ったのは初めてのことで、中国を含めてもアジア「3位」の座は史上初。

アダニ氏が率いるインドの大財閥「アダニ・グループ」は、太陽光や石炭のエネルギー事業から宇宙航空関連、港湾事業まで幅広い企業を傘下に置いていて、パンデミックが広がってから爆発的に資産を伸ばしていったそう。

昨今の石炭需要の増加が資産拡大に更なる拍車をかけ、ついに1380億ドル(およそ19兆円)にまで到達。このペースなら、2位のベゾス(1530億ドル)を超えるのも時間の問題かもしれない。

新興勢力がコロナ禍で急速に成長する一方、既存の億万長者たちの意識は変わり始めているようだ。

7月には、ビル・ゲイツが元妻メリンダと開設した「Bill and Melinda Gates Foundation」に200億ドルを寄付して“億万長者のリストから外れる”ことを表明。

長期にわたってトップに君臨していた億万長者たちが「資産を持ち続ける」ことに疑問を持ち始めたいっぽうで、(マスクも含め)新興勢力の人々は「どんどん巨大化」する意欲をあらわにしているのかもしれない。

当のアダニ氏は、インド国内の民放大手「ニューデリー・テレンビジョン」の買収を企てており、「報道の自由が犯されるのではないか」との懸念が広がっている。

新興のアジア人が、世界的危機のなかで莫大な富を得たことを良しとするか悪とするかはさておき、金銭を取り巻く世界情勢は変化してきているのは確か。

いわば最強の“成金”となったアダニ氏、今後の進退に注目しよう。

Top image: © Sanjeev Verma/Hindustan Times via Getty Images
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