研究結果から見えた、「男女混合チーム」最強説

多様性=「強み」、かもしれない。

ノースウエスタン大学の調査によると、男女混合の研究チームが手掛けた医学論文は、同性によるグループのそれと比較し、「斬新」と評価を受けるものが多いことが判明した。

これは、同大学が過去20年間の医学論文をくまなく分析した結果で、その数はじつに600万枚以上にも及ぶというのだから、信憑性は高いと言わざるを得ないだろう。

では、気になる「男女混合研究チーム」のメリットとはなんなのか?以下の2つのポイントに注目だ。

  • 独創性とインパクト
    同性で編成されている“従来の”研究チームより、性別が混ざっているチームのほうが、独創的でインパクト(影響力)のある論文が多かったという。
  • チームスコアの向上
    性別のバランスが良ければよいほど、チームとしての成果が向上するという。

ちなみに、学術誌「米国科学アカデミー紀要(PNAS)」に記載されている本研究の記事によると、「影響力のある研究結果」とは、将来の研究に活かすことができるものを指すのだそう。

また、上記のメリットを持続させるには、ポテンシャルを活かした役割分担が大事とのこと。

© PNASNews / Twitter

同記事では、ここ10数年の間に女性の研究者が増加したこと、そして個人研究からチーム研究へのシフトチェンジが起きていると示されている。

いっぽう、総務省統計局の「科学技術研究調査」が伝える日本国内の女性研究者の割合を見てみると、2020年の時点でおよそ16万6300人。これは全体の17.5%に止まる数字。世界のトレンドと比較すれば、まだまだ少ないと言える。

インクルーシブなチームの方が興味深い研究へとつながると分かった今、これからどのように研究体制を整えるかが鍵となるだろう。

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