人間に与えられた「最大の武器」

何気ない一日に思えるような日が、世界のどこかでは特別な記念日だったり、大切な一日だったりするものです。

それを知ることが、もしかしたら何かの役に立つかもしれない。何かを始めるきっかけを与えてくれるかもしれない……。

アナタの何気ない今日という一日に、新しい意味や価値を与えてくれる。そんな世界のどこかの「今日」を探訪してみませんか?

国際非暴力デー

今日は、国連によって2007年に制定された「国際非暴力デー」です。

インド独立の父であり、非暴力の哲学と実践の先駆者、マハトマ・ガンジー(1869~1948)が生まれた10月2日にちなんで設けられました。

「教育や国民意識を高める運動を通して非暴力のメッセージを広める」ための機会となるこの日は、平和教育のためのグローバルキャンペーンとして平和、寛容、理解、非暴力の文化を確保することの大切さをあらためて考える機会を与える1日のようです。

世界中の公民権と社会変革のための非暴力運動にインスピレーションを与え、抑圧的な状況下においても、課題に直面するたび、非暴力と不服従の信念を生涯貫いたガンジー。

その哲学は、アメリカ公民権運動の指導者マーティン・ルーサー・キング牧師や南アフリカの反アパルトヘイト政策闘争を率いたネルソン・マンデラ元大統領をはじめ、多くの指導者たちの心を突き動かしていきました。

暴力ではなにも解決できない——。

世界がそれを知った20世紀。なのに、21世紀も残念ながら“目には目を”で幕を開けてしまいました。今日このときも、世界では紛争が絶えず行われ、家や家族や国を失った人々がいます。

非暴力とは?正しい手段とは? それは、今の時代を生きる私たちにも突きつけられているテーマでもあります。

最後に、彼が1927年に出版した著書『真実による実験の物語』より、こんな言葉を紹介いたします。

絶望を感じる時、すべての歴史を通じて、真実と愛の道が常に勝利を収めたことを思い出す。暴君や殺人者の存在は、時に打ち勝ち難いように見える時もあるが、 最後には彼らが必ず滅びてしまう。そのことを考えなさい、いつでも。

たとえ全体主義の名の下に行われようと、 
自由と民主主義の聖なる名の下に行われようと、 
狂気に満ちた破壊は死者や孤児、家のない人々にとってはみな同じである。

「目には目を」は世界全体を盲目にしてしまう。

私には死んでもいいという大儀は数多くあるが、 
相手を殺してもいいという大儀は一つもない。

出典:マハトマ・ガンジー『真実による実験の物語』
Top image: © Bettmann/Getty Images
TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。