元祖「エンタメの殿堂」都心のボールパーク

何気ない一日に思えるような日が、世界のどこかでは特別な記念日だったり、大切な一日だったりするものです。

それを知ることが、もしかしたら何かの役に立つかもしれない。何かを始めるきっかけを与えてくれるかもしれない……。

アナタの何気ない今日という一日に、新しい意味や価値を与えてくれる。そんな世界のどこかの「今日」を探訪してみませんか?

後楽園球場が開場

現在、東京ドームをはじめ東京ドームシティが位置する場所には、かつて後楽園球場(正式には「後楽園スタヂアム」)があったのをご存知ですか? 昭和世代にはちょっと懐かしい響き。

84年前の今日、後楽園球場が開場しました。

おもに巨人軍の本拠地として長く使用され、“プロ野球のメッカ”と呼ばれた都心のボールパークですが、その歴史を紐解いていくと、野球だけでなくあらゆるスポーツの、さらにはエンタメの殿堂としても広く活用されていたようです。

たとえば開場翌年の1938年、スタジアム内に大量の雪を福島県から運び入れ、スキーのジャンプ台を設営。全日本選抜スキー・ジャンプ大会が開催されました。雪に恵まれない都民にスキー競技をアピールすることが目的だったとか。

さらには戦争末期、両国国技館が軍に接収された際には大相撲本場所が開催。マウンドに急ごしらえの土俵ができ、10日間の興行が実施されたそうです。このほか、ボクシングやプロレスなど格闘技、特設コースをつくって開催されたモトクロス競技など。

また、日本では史上初のスタジアムコンサートとなったザ・タイガースをはじめ、人気絶頂だったピンク・レディー、キャンディーズの解散ライブといった単独ライブに加え、今でいうところのサマーフェスも開催されるなど、音楽の聖地としても活用されました。

1987年にはマドンナマイケル・ジャクソンが相次いで後楽園で来日公園をおこない、スタジアムを熱狂に包みました。

施設の老朽化にともない、同年11月8日に閉鎖されるまで50年。都心のボールパークは、昭和のエンタメを支え続けてきたというお話でした。

Top image: © iStock.com/Dmytro Aksonov
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