少年たちが偶然発見したのは、「人類最古」の絵画

何気ない一日に思えるような日が、世界のどこかでは特別な記念日だったり、大切な一日だったりするものです。

それを知ることが、もしかしたら何かの役に立つかもしれない。何かを始めるきっかけを与えてくれるかもしれない……。

アナタの何気ない今日という一日に、新しい意味や価値を与えてくれる。そんな世界のどこかの「今日」を探訪してみませんか?

ラスコー洞窟壁画が発見された日

1940年9月12日、フランス南西部の村モンティニャックに暮らす少年ら4人は、はぐれてしまった愛犬を探しに渓谷へと足を踏み入れました。しばらくして少年たちは穴に落ちた犬を発見。救出しようと入った穴の中で目にしたものは……。

これ、“人類最古の絵画”とされるラスコーの壁画が発見されたときのストーリーだそうです。偶然にも程がある。でも少年たち、いや迷い込んだその犬もお手柄ですね。

ラスコー壁画はおよそ2万年前の旧石器時代のクロマニョン人によって描かれたもの。洞窟の側面から天井にかけて馬や牛、羊、鹿、バイソンといった動物、さらに人間が600体ほど描かれているそうです。

赤土や黒石を細かく砕き絵の具のようにして描いたと考えられていますが、暗い洞窟のなかでどうやって描いたんでしょう。壁画の付近から動物の脂を使って火を灯したと思われる石皿が見つかっていることから、これをランタン代わりにしたという説もあります。

先史時代の迫力を今に残す壁画は1963年以降、損傷を防ぐ目的で非公開とされ、現在は限られた研究者や修復スタッフのみが1日に数名、洞窟へのアクセスを許されています。

人類の過去を探る貴重な扉、それをバーチャルの世界でめぐるニュースを先月ご紹介しましたね。残念ながら本物をその目にするのはまだまだ先になるんでしょうが、本当に洞窟内を探索しているかのような疑似体験はもうすぐ!

Top image: © thipjang/Shutterstock.com
TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。