「宇宙中継」開始。そして伝えられた、悲劇的すぎるニュース。

何気ない一日に思えるような日が、世界のどこかでは特別な記念日だったり、大切な一日だったりするものです。

それを知ることが、もしかしたら何かの役に立つかもしれない。何かを始めるきっかけを与えてくれるかもしれない……。

アナタの何気ない今日という一日に、新しい意味や価値を与えてくれる。そんな世界のどこかの「今日」を探訪してみませんか?

日米間の「衛星中継(実験)」が開始された日

強固な通信インフラやインターネットのようなテクノロジーが開発される以前は、リアルタイムで遠隔地へ情報を伝えたり、遠く離れた場所で起きた事柄を即座に知ることは容易ではありませんでした。

とくに、音声や信号といったシンプルなものならまだしも、容量や技術の問題から、海を越えて“映像”を授受するには国家レベルの取り組みと制度作りが必要でした。

米国時間で今から59年前(1963年)の今日11月22日は、長年にわたる日米による共同プロジェクトが実を結び、衛星中継(実験)が開始された日です。

翌年10月に開催された「東京オリンピック」に向けて実施されることになった衛星中継は、当時“宇宙中継”と呼ばれていました。

日本時間11月23日の午前5:30前後に決行された第一回の試験放送では、約20分間にわたり、米・カリフォルニア州にあるハービー砂漠の風景を(ほぼ)時差なく日本のテレビに映し出すことに成功。

そして、その約3時間半後(午前9:00前後)の第二回放送、アメリカから衛星を介して送られてきたニュースの内容は、日本、そして世界にとって、あまりにも衝撃的なものでした。

第35代アメリカ合衆国大統領 ジョン・F・ケネディ、暗殺。

テキサス州ダラスをパレード中、銃撃によって頸部と頭部を損傷して帰らぬ人となった、誰もが知る、謎多きあの事件です。ちなみに、日米間での衛星中継を推し進めた人物こそ、ほかでもないJFKでした。

悲劇的すぎるスタートを切った衛星中継ですが、これにより、海外の“最新の出来事=NEWS”を知ることのできるシステムの重要性が多くの人の胸に刻まれたともいえるかもしれません。

Top image: © iStock.com/scanrail
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