日本人に「本当の恐怖」を植えつけたホラー映画の金字塔
何気ない一日に思えるような日が、世界のどこかでは特別な記念日だったり、大切な一日だったりするものです。
それを知ることが、もしかしたら何かの役に立つかもしれない。何かを始めるきっかけを与えてくれるかもしれない……。
アナタの何気ない今日という一日に、新しい意味や価値を与えてくれる。そんな世界のどこかの「今日」を探訪してみませんか?
オカルト記念日
今日7月13日は「オカルト記念日」だそうです。日本におけるオカルトブームの火付け役となった映画『エクソシスト』が1974のこの日、日本で公開されたことを記念して制定されたんだとか。
少女リーガンに取り憑いた悪魔パズズと、メリン神父とカラス神父の命がけの悪魔祓いを描いたこの作品。誰もが一度は恐怖したことがあるんじゃないでしょうか。
取り憑かれた少女が天井に貼り付けになったり、少女の顔が背中まで180度回ったり、ブリッジの姿勢のまま階段を駆け降りたり……。
劇中、幾度となく登場するアイコニックなシーンは、それまでのホラー映画にあったミイラが集団で襲ってくるとか、血しぶきが上がる惨殺シーンとは明らかに一線を画す、ある意味、理解不能な超常現象を次から次に展開させ、観る人々に不安と恐怖を植え付けていく構成。
1973年製作のホラー映画の金字塔は、アカデミー賞作品賞をはじめ10部門にノミネート。脚本賞と音響賞を受賞しているんですよね。もちろん、ホラー映画としては史上初のこと。
前評判どおり日本でも大ヒットを収めた『エクソシスト』。折しもユリ・ゲラーによる「スプーン曲げ」がきっかけとなる超能力ブームや、大ベストセラーノベル『ノストラダムスの大予言』『日本沈没』などパニックもののブームも相まり、『エクソシスト』の登場で今度はオカルトの波が日本中を駆け巡ったんだとか。
では、なぜここまで世間を騒がせることになったのでしょう。
原作の小説が実話に基づいているという説や、上映中あまりの恐怖に失神者が続出したとか、撮影中いろんな怪奇現象が起きたり、公開後スタッフが9人亡くなるなど、映画の内容そのもののように“取り憑かれた作品”といった噂が逆に評判を呼ぶことになったようなのです。
今となっては、どこまでが演出でどこからが事実かさえわかりませんが。
さて、その『エクソシスト』のリブート3部作の1作目が、10月13日に全米で公開されることが決まっているんですよね。
73年オリジナル版の続編で、手がけるのはデヴィッド・ゴードン・グリーン監督。オリジナル版で悪魔に取り憑かれたリーガンの母親役を演じたエレン・バースティンが88歳にして同役で再出演を果たすことでも注目されています。
予告編をチラッと覗いたんですが……精神をじわじわと蝕むような恐怖がさらにパワーアップされてて、背筋に寒いものを感じました。
そしてあのテーマソング『チューブラー・ベルズ』も健在のよう。今年のハロウィーンは、『エクソシスト』が世界を席巻するかもしれませんね。