「地球最悪の場所」からマイクロプラスチックが見つかる
標高3400メートルを超えるピレネー山脈の頂上から、水深1万メートル以上と言われるマリアナ海溝の海底まで、地球上のありとあらゆるところに散らばるマイクロプラスチック。
最新の調査によって、“最悪の場所”にも存在していることが明らかになってしまった。
© BBCWorld/Twitter
それは、南極大陸の新雪のなか。
人里から遠く離れ、数少ない“プレーンな場所”と思われていた南極大陸の新雪でさえも、マイクロプラスチックを含んでいるというのだ。
これまでにも南極大陸でマイクロプラスチックが発見されたことはあったものの、新雪の中から検出されるのはこれが初めて。
ある研究チームが南極西部の棚氷から採ったサンプルを調査した結果、そのすべてから直径5ミリ以下のプラスチック粒子が検出。その数は13種類109個にも及び、雪解け水1リットルにつき平均29.4個もの粒子が含まれていたとのこと。
観測基地に近いほどマイクロプラスチックの量が増えていたことから、その発生源は調査基地の人工物である可能性が高いと考えられている。
ただ、過去に北極で行われた調査で数千キロに渡って粒子が運ばれていることが判明したというから、どこから漂ってきているのか完全に突き止めるのは、もはや不可能かもしれない。
もっとも多かったのは、忌わしき「ポリエチレンテレフタレート」=繊維やペットボトルに使われている“PET”。
生物にとって有害なだけでなく、物によっては雪解けを加速させてしまう可能性もあるらしく、環境への被害もじきに出てくるだろう。
今回の恐ろしい研究結果を踏まえ、世界的により重点的にプラスチック削減を心がける必要があると言える。
あなたも、これ以上地球を破壊しないために、PET製品の使用は控えていこう。
Reference: University of Canterbury
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