展示室の“不可能”を可能にした「未来の博物館」。トーハクにて!

できたらいいな、こんなこと──。

そんな夢の鑑賞体験を最先端のデジタル技術で叶えた「未来の博物館展」が、「東京国立博物館」(以下、トーハク)にて10月18日(火)〜12月11日(日)の会期で開催される。

©東京国立博物館、文化財活用センター

同館創立150周年の記念特別企画となる今回の展示は、“デジタル技術×日本美術”をコンセプトに、それぞれ異なる企業とのコラボによって3つの会場で構成。

まず第1会場は、NHK主催の「時空をこえる8K」。

ここでは、江戸時代の絵師・岩佐又兵衛による、約400年前の京都の街並みを描いた大パノラマの絵画国宝「洛中洛外図屏風(舟木本)」を超高精細大型ディスプレイで上映される。

ナビゲーターに土井善晴氏(料理研究家)や伊集院光氏(タレント)、IKKO氏(美容家)、林家正蔵氏(落語家)、磯田道史(歴史学者)、山崎怜奈氏(タレント)ら6名を迎え、「食と享楽」「美と芸能」「歴史と文化」といったトークとともに、その場にいるかのごとく、京の都の賑わいを感じられるそう。

同じく国宝の法隆寺・夢殿にある「観音菩薩立像 救世観音(くせかんのん)」も、8K3DCG技術によって大迫力のスクリーンで観ることができるという。

©東京国立博物館、文化財活用センター
©東京国立博物館、文化財活用センター

第2会場は、キヤノン協賛の「四季をめぐる高精細複製屏風」。

同社が推進する高精細複製品の制作技術を用いたプロジェクションマッピングで、トーハクが誇る4つの国宝「花下遊楽図屏風」「納涼図屏風」「観楓図屏風」「松林図屏風」に描かれた四季の風景を、まるで屏風の中を歩いていると錯覚するくらいリアルに味わえるとか。

©東京国立博物館、文化財活用センター

第3会場は、シャープ協賛による「夢をかなえる8K」。

織田信長の弟・有楽斎など名だたる茶人が手にした「大井戸茶碗 有楽井戸(うらくいど)」や、九州国立博物館所蔵の「油滴天目(ゆてきてんもく)」、愛知県陶磁美術館所蔵「黄瀬戸胴紐茶碗(きせとどうひもちゃわん)」をはじめ全6種類の名碗。

これらを手にとって眺めるように、8Kモニターから360度好きな角度で比較しながら楽しむことができる。

©東京国立博物館、文化財活用センター

想像のチカラを糧に、展示室での“不可能”を“可能”にした未来の博物館。

こちらで取り上げるほとんどの日本美術作品は、同時期開催の特別展「国宝 東京国立博物館のすべて」や総合文化展にお目見え。

夢のような鑑賞のあとにホンモノをじっくり観れば、ひと味違った捉え方ができるかも?

『未来の博物館』

【特設WEBサイト】https://cpcp.nich.go.jp/mirai2022/

Top image: © 東京国立博物館、文化財活用センター
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