【イギリス】半数以上の学生が「食費をカット」するワケ

現在、世界的なインフレの影響により食費や光熱費、生活必需品などの値上がりが続いているなか、イギリスでは多くの学生たちが毎日の生活に困窮しているという。

見通しが利かない現代を生きる若者たちに迫る「生活費危機(Living Crisis)」の実態を見ていこう。

「イギリス国家統計局(ONS)」の調査によると、91%の学生たちが「生活費の危機」に不安を抱えているという結果が。うち15%は重大な問題と捉えているようだ。さらには、彼らのおよそ2/3が「学生ローンだけでは生活できない」と訴えているという。

学生たちの悲鳴が聞こえてきそうなデータを合わせて見てみよう。

© Office for National Statistics

特筆すべきは、半数以上の学生たちが食料の買い出し頻度を下げているという点。また、電気やガスの使用を極力抑え、節約のため人付き合いも減らしていることが判明。このままの生活では、本業である勉強に支障をきたすと、危機感を覚えているようだ。

現在、イギリスでの最低賃金は18歳〜20歳の場合、時給およそ6.83ポンド(約1100円)だという。日本と比較しても物価が高いことを考えれば、放課後の限られた時間でアルバイトしたとしても、生活を支えるのに十分とは言い難い。

未来ある学生たちがこのような苦境に立たされていることは、決して対岸の火事ではない。現に日本でも奨学金取得が困難となっている現状もあると聞く。

世界を覆う物価高により、さまざまな問題が浮き彫りとなるなか、どのように学生たちをサポートしていけるのか。政治だけでなく社会も目を向ける必要があるはずだ。

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