ご本人、「ウェス・アンダーソンっぽい画像は見ないようにしてる」

今春、『ウェス・アンダーソンすぎる風景展』として日本でも紹介され、若者を中心に人気を博した映画監督のウェス・アンダーソン。

映画ファンのみならず、これまで以上に日本でも彼のスタイルや世界観が広く知られるようになったが、いま世界中で彼の独特な世界観を真似した、いかにも“ウェス・アンダーソンっぽい”ミームが大量発生しているんだとか。

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© Wu Tang is for the Children/Twitter

こういった事態に対して、アンダーソン本人は「私の真似をしているミームを送らないでほしい」と『The Times』の取材に対し不満のコメントをもらしたようだ。

というのも彼自身、他人の作品を通して自分のやっていることを俯瞰して見るようなことはしたくないし、彼がどんなことをしたいか、または今後してくのかについては、“神のみぞ知る”ことなんだとか。

先述の風景展も「ウェス・アンダーソンが撮りそうな風景集」を展示するものであったが、これは本人も公認のうえ。風景展のリリースから、彼のメッセージをまるっとご紹介させていただこう。

「ここに紹介された写真は、僕が出会ったこともない人々が(わずかな例外をのぞいて)僕が見たこともない場所や物を撮ったものだが――実際、僕が撮りそうな写真だ。偶然に僕であるとはどういうことか、よく理解できた。どうもありがとう。じゃあ意図的に僕であるとは、どういう意味なのだろうか。きっと僕自身のことを指すのだろうが、いまだによくわからない。けれどそれは大したことじゃない。ほかにはない魅力的な風景を発見し、共有してくれたことに、心からの祝福と大きな感謝を伝えたい」

 

いま振り返ってみると、皮肉にも聞こえなくはない(?)。

“◯◯っぽい”、“◯◯らしい”という言葉で定義されるものはそこらじゅうに溢れているけれど、果たしてそれらは本質を捉えているのだろうか?

もしかしたら、ただの「現象」に過ぎなかった……なんてことも、なきにしもあらずかも。

Top image: © Mike Coppola/Getty Images
TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。