世界初の「空飛ぶクルマ」、米政府から正式に飛行が許可
6月27日、「Alef」社が米連邦航空局(FAA)から法的な飛行許可を取り付けたことが明かされた。
eVTOLや飛行可能な小型機の開発が進み、新型のニュースが乱立するほどに成長する昨今。完全な“空飛ぶクルマ”として特に注目を集めていたのが、昨年発表されたAlef社のプロジェクトだ。
同社のプロトタイプ「Model A」の特徴は、一般的な自動車に近い形状で、大きさも同程度であること。航空機の感覚を拭えない他のeVTOLと異なり、飛行していない間は普通に公道を走行することができる。
また、将来的には「Model Z」と呼ばれる空陸両用車をわずか3万5千ドル(現行レートで760万円ほど)で発売する計画もあり、量産化も現実味を帯びている。
そしてこのたび、政府から「特別耐空証明書(Special Airworthiness Certification)」が発行されたことで、Alef社およびModel Aは正式な“飛行を許可できる信頼性”も獲得したというわけ。
また、eVTOLをめぐっては米「Samson SKy」社の可変車両も昨年に同様の耐空証明を獲得。
あくまでもコンセプトや開発段階だったからこそ魅力的だったeVTOLや空飛ぶクルマだが、これらの例は実物の登場が近いことを示唆している。
ただし、さすがに国中を自由に飛び回って良いわけではなく、場所と目的の制限つきで離陸が許可されるというもの。
急進が続くeVTOLの開発に伴い、FAAは法律の準備や地上インフラとの関係整備の必要性に追われている。耐空証明は、こういった事情を踏まえた初歩的な施策ということなのだろう。
数年後の空には、本当にカーボンの塊が飛び回っているのか……『designboom』も訝しんでいたが、そろそろ本気で考え始める必要があるようだ。