「空飛ぶクルマ」買えるってよ。

近年、一気に現実味の増してきた“空飛ぶクルマ”。さまざまな企業が開発に乗り出すなか、その段階はついに一般販売までたどり着いたようだ。

世界最大級の航空ショー「エアベンチャー・オシュコシュ2021」にて購入予約を開始したのは、日本のスタートアップ企業「テトラ・アビエーション」。

航空機の製造を行なっている同社は、2020年に開催された国際航空機開発コンペ「GoFly」にて唯一、ディスラプター賞を受賞しさらに1年をかけて新機種を開発。その成果として7月26日に完成したのが、この度一般販売される「Mk-5」。

©テトラ・アビエーション株式会社

“空飛ぶクルマ”と呼ばれるだけあって、「Mk-5」の機体はやや小さめであることがわかる。ローターによる垂直離陸・降下、プロペラで水平飛行が行える、いわゆるeVTOL(垂直離陸型航空機)。

固定翼に32個ものローターを搭載していて、安定感は抜群。安全面は強く考慮されていて、32個のうち4個が故障した場合にも、安定して飛行を続けることが可能だという。

© テトラ・アビエーション株式会社

現在は個人顧客を対象に40機ほどの予約を受け付けていて、およそ1年後のデリバリーを目指しているそう。

最初の顧客の対象となるのは、プライベートライセンスを持つアメリカ在住の富裕層。まずはこの中で顧客コミュニティーを形成し、ユーザーとともに将来の量産へと進んでいく見込みとのこと。

8月にはテストフライトも予定されており、海外のラジオでも取り上げられるなどその計画は順調な様子。なるほど、一般と言ってもさすがに自動車免許で操縦できるわけはないが、これは成功しそうなアプローチと呼べるのでは?

一般にVTOLというと、例の「オスプレイ」のイメージが強く、安全性に不安を抱える人が多いことは否めない。それも含めて、最先端技術を駆使した「Mk-5」への期待も大きい。

SF的な空飛ぶクルマが行き交う未来の足音は、もう誰の耳にも届いている。来年の実機配送、そして量産まで計画している「テトラ・アビエーション」のこれからに期待したい。

© teTra aviation corp./YouTube
Top image: © テトラ・アビエーション株式会社
TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。