毎週500万本近くのVAPEが不適切に捨てられていた……
蒸気の香りや味わいを楽しむディスポーザブルタイプの電子タバコ(以下、VAPE)が、イギリスで不適切な方法で捨てられていることが新たな調査によって明らかになった。
その数、週におよそ500万本──。
リサイクル団体「Material Focus」の調査によると、この数は2019年以降、わずか1年ほどで4倍にまで増加したそうだ。
本来ならば、適切にリサイクルされるべきVAPE。というのも、内臓される銅線やリチウムバッテリーがきちんとリサイクルされたなら、およそ5000台の電気自動車のバッテリーへと換えることができるそうだが……現状のリサイクル率はわずか17%にとどまっているようだ。
いっぽう、イギリスにおいてVAPEへの関心は増大し続けているようで、月間販売数は約3000万本を超える状態。皮肉にも、これが不適切な処分を加速させてしまっているようだ。
「Material Focus」ディレクターScott Butler氏は『BBC』に対し、現状の課題をこう指摘した。
「リサイクルが必要になる数よりも、圧倒的に多くのVAPEが道路や公共のゴミ箱にポイ捨てされています。現行のリサイクル施設では対応が追いついていないことからも、VAPE購入と同じくらい簡単にリサイクルできる体制づくりが急務です」。
『BBC』の記事によると、使い捨てられたVAPEが原因で、廃棄物施設やゴミ収集車内で火災を発生させるケースは枚挙にいとまがないそうです。この問題、決して対岸の火事とは言い切れない部分があります。日本でも行政ごとに使い捨て電子タバコの廃棄方法がありますが、きちんとそれに基づいて廃棄されているVAPEは、はたしてどのくらいの数なのでしょう。“使い捨て”という言葉の響きほどには、後始末が楽ではないことも意識しておく必要がありそうです。