タイでプランクトンによる”デッドゾーン”が発生。私たちの生活にも影響があるかも

魚の餌として重宝されるプランクトン。彼らは生態系に不可欠の存在だが、何事も過剰はよくないものだ。

9月20日、東タイ沖のチョンブリーという街で通常の10倍以上のプランクトンが発生し、海水が緑色に変わる「デッドゾーン」と呼ばれる現象が生じていると、英『ロイター』が報じた。

これはプランクトンの過剰な増殖によって生じるもので、一般的には年に1〜2回程度発生し、通常2〜3日間続くとされている。

デッドゾーンでは有害な毒素が生成されることがあるほか、水中の酸素をプランクトンが使い果たすとともに光を遮断することで海洋生物を死滅させる原因となるという。

今回の異常発生により、チョンブリー沿岸のムール貝養殖産業に大きな被害が及んでいて、実に300以上のいけすに影響が出ているとのこと。

ある現地の漁師は、デッドゾーンの影響で50万バーツ(約1.4万ドル)以上の損失を被っていると語る。彼だけでなく、仲間たちも同様に大規模な損害を受けているようだ。

プランクトン急増の原因ははっきりしていないが、科学者たちは海洋汚染と気候変動による激しい暑さが関係していると指摘する。

「資源の管理方法や水の無駄遣いなど、私たちの生活のあり方を変化させない限り、事態はさらに悪化してしまうでしょう」

科学者のタヌスポンジ氏が警鐘を鳴らす。

今年の初めには、同じようなプランクトンの異常発生により、タイ南部の海岸沿いに何千匹もの死魚が打ち上げられるという出来事も発生している。

また、タイ国内にとどまらず、テキサス州でも同じように大量の魚が打ち上げられる事象が発生しており、ロンドンでも普段は存在しないはずの藻が大量発生するなど、温暖化由来とみられる異常現象は世界各地で相次いでいる。

このまま温暖化が進行すれば、私たちの食卓も脅かされる日が来てしまうのかもしれない。

食卓の定番、エビや貝類などはタイをはじめとする東南アジアからの輸入に大きく依存しているそうです。

このまま温暖化に手を打たずに進行してしまうと、パエリアやエビチリなど……が高級料理になってしまう未来もそう遠くないのかも。

自分の身近なところから、打てるうちに打てる手をひとつひとつ打っていくことが、未来の食卓を守ることに繋がるのかもしれませんね。

Top image: © iStock.com/tonaquatic
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