石川県の野外フェス「ishinoko」に、1人で飛び込んでみた!
9月29日から10月1日にかけて、石川県滝ヶ原町で行われた野外フェスティバル「ishinoko」。
以前このフェスについて記事を書かせていただいて以来、「音楽・食・アートの融合」というテーマに惹かれ、体がウズウズと……。(記事はコチラから)
今回は、人見知りで消極的な僕が、1人で地方の野外フェスへ飛び込んでみた様子をお届けします。
何よりも真っ先に伝えたいのは、このロケーション。
関東圏の夏フェスで煮えたぎる暑さや人混みを経験し、フェス自体を煙たがり始めていた僕にとって、このロケーションはまさに理想そのもの。
人里離れた山奥に会場を構えているため、人工的につくられた自然ではなく、”ありのままの自然”を存分に感じることができました。
途中、何度か雨に襲われましたが、天候の移り変わりが激しいことも山奥で開かれるフェスにおいては醍醐味。雨上がりの空気の新鮮さ、澄んだ風の心地よさは、今でも体が覚えています。
そしてお次は、フェスめし。
地元のお寿司屋さんにインド南地方料理、昆虫食に、深夜ラーメン……。いつものフェスではなかなか味わえないメニューは、シェフや生産者の方がその場で調理、提供してくれたもの。
なかでも忘れられないのは、2日目の夜中にものすごい強さの雨が降り、多くの参加者が大型テントで雨宿りしていた時のこと。
シェフの1人であるiggyが振る舞ってくれた「深夜ラーメン」は、芯まで冷えていた身体に暖かいブランケットをかけてくれたような、温かくてそれでいてシンプルな味付け。こういった時には脂っこい家系ラーメンが定番だと思っていましたが、オーガニックってこんなにも人間の体全体に染み渡るんだ……と本当に感動。
あの場のなんとも言えない“一体感”は、僕の心のノートに書き記してあります。
最後はやっぱり音楽。
ishinokoはジャンル分けに縛られないフェス、テクノからダンスミュージック、オルタナティブまで。個性派という言葉で片づけてしまうのは、あまりに勿体無い。
とはいえ僕はどのアーティストにも詳しくなく、予習なしの状態で挑みました。
普段めったに感情を表に出さない僕でも、時間が経つにつれ自然と体が揺れ、次第に踊り始め、グルーヴの一体感を全身で感じる。その時間だけは、普段は表に現れない“もうひとりの自分”が出てきたような気がして、不思議と疲労や雨も気になりませんでした。
今でも鮮明に覚えているのは「M集会」のパフォーミング。夕暮れから夜に移り変わる18時ごろ、神輿を担いだ楽器の演奏部隊とともに、あとに続いて踊りながら歩く人々がこちらにやって来ました。
目の前で楽しそうなことが起きていることを直感的に感じて混ざってみたところ、息が合った太鼓の音色に人々が呼び寄せられ、自然と声をあげ、互いに踊り合う空間に。
漫画好きなら一度は経験してみたい『ONE PIECE』の宴って、まさしくコレでした。
以上が、消極的な僕が1人で地方のフェスに飛び込んでみた結果。
これらはまだほんの一部の魅力で、紹介しきれなかった部分は次回開催されるishinokoに皆さんが参加することで体感できると、確信しています。
この規模感、温かさを自分の手の届く範囲に留めておきたいという気持ちの反面、もっと広まってほしい……!という気持ちも。
ちなみにishinokoが開催された自然溢れる場所、滝ヶ原にはカフェやホステルもあり、無償の愛をもって鶏の飼育をしているアコさんをはじめ、素晴らしい方々が暮らしています。
性別や国籍を超え、誰もが歓迎されるこのフェス。来年、いかがですか?
「おやつなトピック」って?
Z世代のインターンから、この道うん十年のベテラン編集者まで、TABI LABO“ナカの人”がリレー形式で担当するコラムです。