【検証結果】TikTokで流れてくるほとんどが広告コンテンツであることが判明

TikTokの広告は最早、テレビをも超える？

驚きの広告量と、その消費者体験への影響に迫る『Business Insider』の新たな実験。

この記事の要点

・Business Insiderの実験によると、TikTokでは閲覧されるコンテンツの約3分の1が広告であり、広告量がネットワークTVに匹敵する。

・アメリカでは成人がTikTokに費やす時間が増え続けており、特に顕著なZ世代は、1日平均79分をアプリ内で過ごしている。

・TikTokのアフィリエイトプログラムは、クリエイターが商品を宣伝し販売からコミッションを得る機会を提供しているが、広告の増加が消費者文化や環境に与える影響は複雑。

米国のZ世代は平均1日79分をTikTokのアプリ利用に費やし、その他の成人の利用時間も増加傾向にある。

そんなTikTokは、現代社会において他のSNS媒体とは一線を画す消費スタイルを提供している。『Business Insider』の記者2人が計1,000本のTikTokを連続視聴し広告量を調査した結果、視聴内容の約3分の1が広告を含むコンテンツだったことが明らかになった。

同記事によれば、米国のネットTV（日本のBSや全国放送に近いもの）は、1時間に最大17分ほどが広告で構成される。

つまり、TikTokの広告量は、約28%が広告で構成されている米国のTVネットワークに匹敵、またはそれを上回るものだったのだ。

両者の決定的な違いは、後者は広告をスクロールして通り過ぎれることだろう。

調査方法は、2人の記者が3時間にわたり、TikTokの「あなたにおすすめページ（FYP）」で流れてくる動画のみを対象とし視聴し広告数を記録するというもの。広告の種類には、アフィリエイトコンテンツ、スポンサーコンテンツ、従来の広告、自家広告などが含まれている。

この検証は、TikTok上で普段からどれだけ広告が紛れ込んでいるかを浮き彫りにした。

消費者の約37％は「TikTokで見かけたものを購入したことがある」とされており、このプラットフォームはその影響力を利用して、EC分野であのAmazonに対抗しようとしているという。

USCマーシャルビジネススクールのKristen Schiele教授によると、広告量の増加は、特にホリデーシーズンに顕著だという。また、TikTok上の広告は「小規模ビジネスの成功」を支え、Z世代が製品を探すために利用する傾向も確認されているんだとか。

この情報からわかるように、広告の増加が消費者文化や環境に与える影響は複雑だ。ただし、当のTikTok側は未だに広告の頻度についてのデータは提供していない。

なお、もしTikTokのコンテンツから商品を購入する際には、即日配送ではなく通常の配送を選ぶ、あるいは複数の購入を一度の訪問で計画するなど、環境に優しい消費行動を取ることが推奨される。

また、地元の店舗での購入を検討し、可能であれば歩いて行ける距離のお店を利用することも環境への影響を減らす一助となる。消費者が意識的な選択をすることが重要性だ。