TikTokの検索結果の20%は「誤情報」【米調査結果】

今や、「Google」に続く世界2位の検索ドメインとなった「TikTok」。

エンタメ動画に限らず、ワクチンや気候変動などの重要な情報を検索するユーザーが増えており、ニュースの情報源としても影響力を持つプラットフォームになってきている。

ところが、その検索結果はかなりずさんなものであるらしい。

米「NewsGuard」がTikTokの動画検索で表示される結果を調査したところ、自動でサジェストされる動画のうち、およそ20%は根拠のない「誤情報」を含んだものだったという。

例として「mRNAワクチン」と検索したところ、最初に表示された10本の動画のうち5本は「子どもの臓器に永久的なダメージを与える」と主張するような、根拠のない誤情報を含んだものだったそう。

また、検索画面に「COVID vaccine」と入力すると、「vaccine exposed」や「vaccine injury」などの批判的な誤情報がサジェストされることが明かされた。

その他にも、中絶や2020年の米大統領選、6月の暴動、気候変動にウクライナ侵攻などの重要トピックの検索結果にて、同様の誤情報が散見される結果に。

これに対し調査員は、TikTokの検索エンジンが場合によっては「誤情報に誘導する」ように設計されていると指摘。おそらくこれは、“バズネタ”が優先されるのが原因だろう。

エンタメが原点であるTikTokでは、話題性のあるバズコンテンツが優先的に表示されるのは自然なこと。ワクチンの副作用陰謀論などの誤情報は話題性が強いため、重要トピックの検索ではこのシステムが“仇”になっていると考えられる。

一方のGoogleでは、検索結果に権威ある論文などの信頼できる根拠が示されている情報が優先的に表示されたという。先日も大規模なアップデートが実施されたりと、「信頼できる検索」を目指して改善が進んでいるようだ。

調査結果を受け、TikTokは「ガイドラインでは有害な情報を禁止しており、新型コロナのような重要トピックでは根拠のあるコンテンツを推進するよう取り組んでいる」とする声明を発表。実際に、今年初頭には規則違反にあたる動画を1億本以上削除したという。

逆に言えば、それでも20%もの動画が誤情報を含んでいるというのは、そもそもTikTokが情報源としては非常に不安定なプラットフォームであることを示している。

「バズ」と「正確性」は両立できるか────。

TikTokに限らずインターネット全体が直面しているこの課題。急速に発展したSNSを情報源として信頼するのには、もう少し時間がかかりそうだ。

Top image: © XanderSt/Shutterstock.com
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