Wikipedia内にも、貧富の差や地域格差が存在するらしい【調査結果】

「Wikipedia」には、世界中のありとあらゆる情報が載っていると思われがちだ。しかし、情報量や注目度には偏りがあるらしい。

科学雑誌『PLOS ONE』に掲載された調査によると、貧富の差や地域格差によって情報の充実度と注目度が異なるとのこと。経済的に豊かな国や地域に関する記事のほうが数が多く、閲覧者数も多い傾向にあるという。

実際の調査では、2016年から2020年までの出来事に関する1万7490件の記事を調べたらしい。その結果、経済的に発展している国の出来事には多くの注目が集まった一方で、あまり裕福ではない国に関しては注目度が低かったんだそう。

例えば、2020年の「カブール大学襲撃事件」と「ウィーンでの銃撃事件」を比較した結果、ウィーンの記事のほうが注目度が高かったそうだ。加えて、ウィーンに関する記事は35言語で書かれていたのに対し、カブールの記事は26言語だったという。

原因の1つとして考えられるのは、インターネット環境。というのは、経済的にあまり豊かではない国はインターネットの利用が限られるため、記事を読んだり書いたりできる人も少なくなる、ということなんだそう。

「(情報の正確さや信憑性はさておき)Wikipediaをはじめインターネット上には世界中のあらゆる情報が掲載されている」という考えは、経済的に余裕がある国で生活する人の思い込みでしかないのかもしれない。

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