最も影響力のある「音楽ジャンル」が判明!科学者が17,904曲を検証して、判明した音楽史の真相とは?

人気のある音楽ジャンルと聞くと何を思い浮かべるでしょう。ポップスか、はたまたロックか。音楽史において最も影響力のあるジャンルとは一体…。

これは、2015年5月に若者向けのメディア「Mic」に掲載されたトム・バーンズさんの記事。コロムビア・レコードで働いていた経験もあり、音楽を水や食べ物と同じように大切に考えているという彼が語る「近代音楽史に起きた革命」とは?以下に紹介します。

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音楽の歴史を語る時、ロックンロールはいつもヒーローとして扱われる。でも、ロンドン大学が発表した調査結果によれば、この半世紀で、最も影響力があったのはヒップホップだった。

いまだに彼らの功績は過小評価されがちだが、結果を見て欲しい。

音楽史上、最大の「革命」とは

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調査チームが分析したのは、1960年から2010年までに発表され、ビルボードランキングのトップ100にチャートインしたことのある17,904の楽曲だ。結果、新しい曲やジャンルが爆発的に成長したと考えられる3つの期間を見つけ出した。

まずはじめが1964年。イギリスでは「ザ・ビートルズ、アメリカでは「ザ・フー」や「ザ・ローリング・ストーンズ」が爆発的ヒットを生んだ。その次が1983年、この時にニュー・ウェーブやディスコが絶頂期を迎えた。

そして3度目、最も大きな成長を見せたのは、1991年に爆発的にヒットしたヒップホップだ。この3つの時代の変革期にはどれも独特な特徴が見られたが、他に類を見ないほど大きな影響があった。

ヒップホップが音楽史を変えた

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調査によると、このムーブメントは新しい音楽性だけでなく、スタイルや色彩なども含め最も大きな変化を生み、支配的な影響力が発生していた。調査に携わったメンバーはこんなことを語っていた。

「ヒップホップの登場が、それまでの音楽の歴史を丸ごと変えてしまっている。それに比べれば、『ザ・ビートルズ』が及ぼした影響は、大きなものとは言えない」

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1960年代を見ると「ザ・ビートルズ」のアメリカ進出がそこまでドラマチックな出来事ではなかったことがわかる。分析した彼らの意見はこうだ。

「調査によれば、イギリス音楽の大きな要素であるクラシックロックの爆発的成長はすべて64年以前のもの。それらも、全体において大きな役割を担っていたワケではなかった。 刺激的なヘアスタイルとカッコいい容姿、イギリス独特のアクセントはあったものの、音楽性が新しいわけではなかった」

この調査結果は、これまでの常識や、楽器の演奏力が音楽に必須であるという考えを大きく変えるものにはならないだろう。でも、これまでの偏見を多少なりとも覆すものではある。

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さらにいうと、ヒップホップはまだまだこれから。これまでアーティストを発掘してきたプロデューサーだって、まだ才能を捕まえきれてはいない。

世界的に有名なグラミー賞も、未だに人種差別しているようなきらいがある。これまで「Song of the Year」や、「Record of the Year」にヒップホップレコードが選ばれたことはない。

※この記事は2015年5月に書かれたもの。過去に「ローリン・ヒル」などが受賞しているが、どうやら筆者はそれをヒップホップではなく、R&Bと捉えているよう。ちなみに、2016年のグラミー賞には、すでに多くのヒップホップアーティストが各部門にノミネートされており話題になっている。

しかも、サンプリングはいまだに「泥棒」とさえ認識されることがある。ちなみに「Uptown Funk」で知られる音楽プロデューサー兼DJのマーク・ロンソンはTEDでこんなことを語った。

「『ザ・ビートルズ』や『ザ・ローリング・ストーンズ』、それに『エリック・クラプトン』も、デルタ・ブルースという古くからあった音楽を使っています。それらは、それまでとは違った形で人々へと届いています。もし受けた影響を、ただ複写するのではなく自分の経験に落として再定義できるなら、それはいままでになかった新しい音楽として生まれ変わるんです」

先に紹介した調査結果は、ヒップホップがアメリカの音楽史を変え、この半世紀で最も大きな影響を与えたことを物語っている。もっと多くの人に認識されてもいい事実なのではないだろうか。

Licensed material used with permission by Mic

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